米朝会談は「アメリカの深刻な病」を映す鏡だ ぐっちーさん流「米朝会談のリアルな読み方」

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ぐっちーさんは「米朝首脳会談から深刻なアメリカの姿が見えてくる」と言う。どういうことだろうか(写真:ロイター)

世紀の「怪談」、いや、「会談」たる米朝首脳会談が終了しました。

このテーマは本連載陣でいうと、吉崎達彦先生(双日総合研究所チーフエコノミスト)の十八番です。ここは私がぶつぶつ言っている場合ではないのですが、それはまたの機会にお願いすると致しまして・・・・・・私の場合、こういう経済評論家という肩書の人間としてはほぼ唯一、アメリカで実際に会社を経営している、という状況にあります。

そのため、この種の話は極めて「切実な問題」=「おカネの問題」が絡むこともあり得るので、実は相当センシティブです。

米朝首脳会談の開催自体がトランプ大統領の目的だった

実際、ドナルド・トランプが大統領になってこの2年の間に、アメリカにおいて、私の身に降りかかってきた事件は結構ありまして、例えば移民局からすでに2回も呼び出しを受けていますし(これまでは多くても5年に一回あれば良い方だった)、当社が保有する労働ビザに難癖を付けて取り上げよう、という動きは初体験かつ顕著であります。

これでも日本人ということで、相当な「のりしろ」をもらっているそうで、仲間のメキシコ人、カナダ人を筆頭に、ドイツ人、フランス人など、アメリカで経営し、ちゃんと納税している連中がアメリカ政府の対応に怒り狂っているわけです。そういった話は多分私しかできない部分もあると思いますし、また、1980年代とは言え、トランプ自身と仕事もしたことがあるわけですから、また普通の評論家の人とは違った感想があるのも事実ですので、そういう切り口から少しお話をさせて頂きたい。

米朝首脳会談についてここまで出てきている、いわゆる専門家の方々の書きっぷりは・・・・・・

「歴史的な米朝首脳会談終えたトランプ米大統領、合意を評価」(BBC)
「金正恩勝利で終わった米朝首脳会談」(ダイヤモンド・オンライン)

などが代表例、でしょうか。正直、アメリカで仕事してない人としてはこんな感想になるんでしょうね・・・と思うところであります。

私から言わせれば、自分自身のブログでもいろいろ書いてきたように今回のこの結末は完全に「想定内」。やること自体がトランプ大統領の目的だった、という結論です。

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