夏の風物詩と言えば、ビールに枝豆、うちわに浴衣に盆踊り、甲子園球児と入道雲、かき氷にスイカなど。ただし今年はあまりにも暑くて、普通に夏を楽しむという気分になれないのが困ったものである。
なんと!夏の季語には「経済白書」がある!
ところで夏の季語に「経済白書」が入っていることをご存じだろうか。毎年7月から8月に発表されること、お堅い役所の文書とはいえ、国民生活に馴染み深い存在であることから、歳時記に入っていたことがある。
そこでこんな風に駄句を詠んでみる。
昼下がり 経済白書を 枕とす
これでちゃんと、お疲れ気味の夏のお父さんを描いたことになる(はずである)。
2001年の中央省庁再編を機に、経済企画庁は内閣府に再編され、経済白書は経済財政白書に衣替えした。その頃から、「最近の経財白書は、政府の太鼓持ちみたいで面白くない」などと言われるようになった。確かに昨今では、俳句に詠み込まれるほど身近な存在ではなくなっている。
平成30年度版の「経財白書」は8月3日に公表された 。正式名称は「年次経済財政報告」(経済財政政策担当大臣報告)という。今回はこの経財白書をテーマにしてみたい。
経財白書にはフォーマットがあり、だいたい3章建てになっている。第1章で足元の景気を論じ、第2章でときの話題となるテーマを掘り下げ、第3章では将来的な課題を取り上げる。今年もこの基本を忠実に踏襲している。
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