「やりたい事がわからない」のは危険信号だ 「謙虚」を続けると人に振り回されやすくなる

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相手のためを思って……などという大きなお世話とも言える、大義名分となる気持ちに隠れてしまいがちですが、相手ではなく、自分に焦点を当てることが必要です。何に対して腹を立てているのか自分の気持ちに向き合うチャンスなのです。自分のこだわりや価値観を探る手がかりになります。

「仕事を変えてはいけない」など、「○○でなければならない」という思い込みに気づくこともできるかもしれません。思い込みは、私たちの思考を支配し、知らず知らず行動をがんじがらめにしていきます。それを少しでも楽にコントロールできるようにするためには、自分がどんな思考や価値観に縛られているのかを正確に知ることが重要です。

思考や価値観は変化する

もう1つ大切なのは、思考や価値観は変わるということを認識することです。仕事、経済、健康、人間関係など、取り巻く環境によって左右されます。ある時期は、「時間」が最も重要かもしれませんし、「大切な人」や「お金」という時期もあるでしょう。ですから、つねに自分に向き合うことを習慣化し、変化も認識していくことが大切です。

自分の価値観がはっきりすれば、日常生活の中で選択を迫られたときに、自分なりの指針が立てやすくなります。優先順位がわかっていれば、それを基準に考えていくことで、自分で決定したという意識を持ちやすく、もし選択を間違えたとしても、そのときの状況下では最もよい選択だった、と認識することができ、納得がいきやすいのです。

自分にとって最適な選択をするためにも、人生の後悔を少なくするためにも、自分の気持ちを避けずに、向き合うことを大切にして下さい。

自分らしくよりよい毎日を送ることができますように。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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