今後の業績も好調が続く 注意点は、米国とアジア経済
トヨタもマツダも、今後、世界景気に大きなぶれがなければ、今後もしばらくは好業績が期待できるのではないかと思います。特に2社は、北米やアジアからの利益の割合が多いことから、これらの地域の経済情勢と合わせて見極めることが大きなポイントになります。
もう一つ、為替レートの動きにも注意しなければなりません。中長期的には円安ドル高傾向が続くと私は思っていますが、米国の議会の対立が深刻化したことなどから、9月中旬以降、じわりと円高ドル安に振れています。QE3(金融の量的緩和第3弾)の縮小時期にも影響します。10月にはいったん、予算案や債務上限などの議会の問題は解決しましたが、問題を数か月先延ばししたに過ぎません。
米国経済の先行きは、短期的には、議会に関するニュースと、その前後の経済指標の動きに注意が必要です。私は、これによって米国景気が一時的に落ち込んだとしても、持ち直すのではないかと考えていますが、実際にどれだけ景気に影響が出るかは、経済指標を確認しなければ分かりません。2社の業績を見極める際は、米国の経済指標も合わせてチェックするようにしてください。
また、日本の景気は、現状は比較的堅調ですが、自動車に関しては、消費税率上げも波乱要因です。消費税の上げに対して重量税の引き下げが行われる予定で、購買者にとっては結果的には大きな負担増とはならないようですが、それでも心理的要因から、駆け込み需要が起こり、その後、失速するということもありうるからです。固定費が比較的大きい製造業にとっては、稼働率の大きな変動は業績に大きな影響を及ぼしかねないので、こちらの方にも注意が必要です。
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