トヨタ自動車とマツダを分析する 驚異的に回復する自動車業界の今後は?

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為替相場や世界景気に大きな動きがなければ、トヨタは引き続き好調なペースを維持するでしょう。同社は14年3月期の連結営業利益の見通しについて、すでに前年比46.9%増の1兆9400億円に上方修正すると発表しています。従来予想より7.7%アップとなります。

為替の想定レートも、通期平均で1ドル=90円から92円に、1ユーロ=120円から122円に円安方向に修正されました。今後も、円安の追い風を受けると想定しているのです。次の四半期決算(6日発表)も好業績が期待できると思います。

円安と世界景気回復で、ようやく業績が反転したマツダ

次に、マツダの決算内容を分析します。マツダは国内での生産比率が高いことから、輸出で稼いでいる割合が大きく、円安の追い風を受けやすいという特徴があります。

現時点でトヨタの決算が出ていないので、第1四半期の損益計算書(短信の5ページ)から見ていきますと、「売上高」は5066億円から6158億円まで急増しています。そして驚くべきなのは「営業利益」です。18億円から365億円まで、約20倍も伸びているのです。

次にセグメント情報(短信の9ページ)を見てみましょう。売上高が最も伸びているのは、やはり日本です。4392億円から5073億円まで大幅に増えています。その他、北米や欧州も伸びています。

先ほども触れましたが、マツダは国内で生産して海外の拠点に輸出する割合が高い会社ですから、業績は為替相場や海外景気の影響を受けやすいのです。2013年4~6月は円安が進んだうえ、米国での自動車販売が好調で、欧州経済も小康状態となっていることから、マツダの業績は大幅に改善したのです。

こうした背景から、日本の「セグメント間の内部売上高又は振替高」が2420億円から3021億円まで伸びました。「セグメント利益」も62億円から269億円まで、4倍以上増えています。

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