どの地域の業績が最も改善しているかというと、実は日本なのです。「営業利益」が1071億円から4560億円まで、4倍以上も伸びています。
ところが売上高を見ますと、日本国内での売上高を示す「外部顧客への売上高」は2兆144億円から1兆9390億円まで減少しています。販売台数も、前年同四半期より5万893台減少しているのです。
では、何が伸びているのかというと、「所在地間の内部売上高」です。1兆2277億円から1兆5171億円まで大幅に増加しています。これは、同じグループ内部で他の地域へ輸出した額を示したものです。
つまり、日本国内の販売は少し落ち込んでいるのですが、国内で生産して他の地域へ輸出した分の売上高が伸びているこということです。
なぜ輸出が伸びたかというと、皆さんもお察しの通り、一つは円安、もう一つは北米での販売が好調だということです。
北米の「外部顧客への売上高」を見ますと、1兆5597億円から2兆622億円まで、約5000億円も増えています。北米での販売がかなり好調であることが分かりますね。販売台数も、前年同期より2万6309台増えています。
米国全体の自動車市場は、かなり好調ペースを維持しているのです。米国の「自動車販売台数」を見ると、昨年(2012)12月から1500万台を超える水準が続き、今年(2013)8月には1600万台を超えました。
以上のことから、売上高全体が伸びているのは、円安と北米市場の回復の影響が大きいと言えます。
しかし、トヨタの北米での「営業利益」は、1176億円から826億円まで減少しています。これは、金融スワップ取引などの時価評価による評価損が計上されたことで、「営業費用」が1兆4751億円から2兆224億円まで約5500億円も増えてしまったからです。
ただし、この評価損益を除いた営業利益は、956億円から1035億円まで伸びていますから、自動車販売の業績そのものは好調だと言えます。
トヨタ自動車の発表によりますと、利益を押し上げた要因は、円安によるものが2600億円、原価の削減努力によるものが700億円、営業努力によるものが300億円だということです。
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