甲子園「四国凋落と東北躍進」の明らかな根拠 データで読み解く「甲子園」強豪地方の変遷

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■九州・沖縄地方

おおむね勝率4割〜5割の間を推移している九州・沖縄。1940年代後半、1980年代、2010年代と3つのピークがあります。1940年代後半は、ほぼ福岡・小倉の一人勝ちといっても差し支えありません。

【1982-1996年】
地域の合計勝利数 198勝
勝利数1位 21勝 沖縄水産(沖縄県)
勝利数2位 19勝 鹿児島実(鹿児島県)
勝利数3位 17勝 樟南(鹿児島県) ※旧・鹿児島商工
勝利数4位 13勝 熊本工(熊本県)
勝利数5位 12勝 佐賀商(佐賀県)

次のピークとなる1980年代は、南九州が活躍しました。勝利数1位が沖縄・沖縄水産、2位が鹿児島・鹿児島実業、3位が鹿児島・樟南(旧・鹿児島商工)と南九州勢が上位に並びました。この間、1992年夏には福岡・西日本短大付が、1994年夏には佐賀・佐賀商業が、1996年夏には鹿児島・鹿児島実業が全国制覇を果たしています。

九州・沖縄ともに活躍

このほかにも九州勢は、1982年夏の佐賀・佐賀商業のエース・新谷博の準完全試合や、1996年夏の熊本工業×松山商業の決勝戦で、熊本工業のあわやサヨナラの打球を松山商業の奇跡のバックホームで阻まれて優勝を逃すなど、印象的なシーンを残しています。

【2007-2013年】
地域の合計勝利数 97勝
勝利数1位 12勝 興南(沖縄県)
勝利数2位 6勝   清峰(長崎県)
勝利数2位 6勝   佐賀北(佐賀県) 
勝利数2位 6勝   沖縄尚学(沖縄県)
勝利数2位 6勝   九州国際大付(福岡県)
勝利数2位 6勝   浦添商(沖縄県)

3つ目のピークは、沖縄活躍の時代です。12勝で勝利数1位に2010年春夏連覇の興南、6勝の2位に2008年春優勝の沖縄尚学と浦添商が入るなど沖縄勢の活躍が目立ちます。このほかにも、がばい旋風を巻き起こして2007年夏に優勝した佐賀・佐賀北や、2009年春に菊池雄星の花巻東を倒し長崎県勢で初優勝した清峰など、九州勢が優勝5回、準優勝2回を達成しています。

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