ゴルフも“PDCA”が上達する近道 桃栗三年、柿八年

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ゴルフ場の木々に赤や黄色の秋の色が交じる季節になりました。山岳コースでは栗の木がたわわにとげとげの実をつけています。ゴルフ場には季節を感じる樹木がたくさん植わっているのです。

さて、先日アマチュアの方とプレーをご一緒したとき、こんな質問がありました。「ゴルフを始めた年齢の大体半分くらいが、その人のハンディキャップになるのですか?」。私はそんなことはないと思います。私は18歳でゴルフを始めたので、まるで当てはまりません。プロにはほとんど当てはまらないですし、アマチュアの方もゴルフで報酬を得るくらい真剣にやれば、いくらでも上達するでしょう。ただ、なかなかそこまではできないので、年齢の半分くらい上達したらいいね、というのがそんな言葉につながったのかと思います。

では、上達するのに何がいちばん大事かといえば、どのように上達したいのか「数字で目標設定すること」です。たとえば、100を切りたい、という目標を立てるのではなく、98なのか90なのか、ハンディ20なのか具体的目標を数字で立てることです。ゴルフは72が基本なので、技術面での大きな目標は以下のようになります。(1)ショットはパーオンさせる。(2)アプローチショットは、上げる、転がす、上げて転がす、の3種類マスターする。(3)パッティングは2パット以内で収める。

そこで、スコア90を目標にする場合、(1)から(3)の目標値を、(1)18ホール中9回はパーオンする、(2)アプローチショットは3メートル以内に寄せる、(3)パッティングは18ホール中9回は2パットでいく、と自分なりの数字を具体的にはめ込みます。目標とするスコアによって中の数字は変わりますし、何が得意か不得意かでも比率は変化します。

次に、(1)から(3)を実現するための手段が必要になります。(1)は飛距離なのか、安定したショットが必要なのか、ゴルフクラブが合っているのかどうかなどを探ります。それによって体力強化や球筋を決めるスイング作り、クラブ交換など、やることをさらに落とし込みます。(2)なら得意なアプローチを身に付けることが必要です。いずれか一つ打ち方を習得し、3メートル以内に入るように練習します。(3)は距離感が必要です。3メートルや10メートルのパットの距離が合うように集中的に練習します。

このように数字目標にすると、やることがより明確になって、一つひとつのショットに集中して対峙できるようになります。そして定期的にチェックしながら次のステップに進んでいくのです。実はこれ、最近協会運営で習ったPDCA(Plan-Do-Check-Act)に似ているなあと思いました。ただ、私は現役時代に経験を通して学びましたが、早くこれを習っていたら結果は違ったのかなあ、と考えさせられました。

いずれにせよ、昔から桃栗三年柿八年というように、じっくり取り組んで実を結べば、スコアがアップし、さらにゴルフが楽しくなります。

小林 浩美 プロゴルファー

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こばやし ひろみ

1963年福島県生まれ。89年にプロ初優勝と年間6勝を挙げ、90年から米ツアーに参戦、4勝を挙げる。欧州ツアー1勝を含め通算15勝。現在、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)会長。所属/日立グループ。

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