医学部合格に必要な「異常に高すぎる最低点」 「覚悟」をもって臨まなければ合格はできない

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医学部合格は「1つの通過点」にすぎない。合格後も数々の苦難が待ち構えている。大学での講義で解剖実習などが始まると、専門的な内容へと一気に深化していく。

2023年以降、アメリカ医科大学協会か世界医学教育連盟(WFME)の基準で評価を受けた医学部の卒業生しか、アメリカの医師免許試験を受験できなくなる。これに対応するため、医学部では現在、「医学教育の国際化・国際基準への対応」が進行中だ。

これにより、在学中の臨床実習もかつての「見学型」から「参加型」にシフトされている。早期化・長期化などもあわせて、「質・量ともにハード」になっているのが実情だ。

「強い志」と「覚悟」をもって受験を

医学部卒業前の最終関門が卒業試験と医師国家試験だ。

国家試験は2018年2月実施分から問題数が500題から400題に、日数が3日間→2日間に変更された。とはいえ、合格が大変なことに変わりない。膨大な勉強量が必要となることに加えて、卒業試験をパスできないなど、状況によっては国家試験を受けられないこともありうる。

医学部卒業・国家試験合格もゴールではない。

研修期間を経て進路(開業医・勤務医・研究医など)が最終決定した後も、医師は「一生勉強が必要」だ。医学は日進月歩なので、自らの知識・技能を常に最新の状態にアップデートしなければならない。

そうでなければ、最新の医学・医療から自分だけが取り残されてしまって、救えるはずの命が救えない。

医師を目指す受験生は「患者や家族のため、世のため人のため、日本と世界の医療のため」に貢献できるよう、「強い志」に加えて「覚悟」をもって臨んでほしい。

加藤 広行 代々木ゼミナール入試情報室主幹研究員

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かとう ひろゆき / Hiroyuki Kato

入職以来、主に大学入試情報の収集・分析と、受験生・保護者・教員への情報発信業務に従事。近年は医学部入試関連の業務を中心に、グループ内外が主催する医学部入試関連のイベントなどでプレゼンテーションを実施。秋から受験期にかけては、例年多くの医学部受験生に対しての模擬面接も担当している。

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