理不尽すぎる山根会長が組織を牛耳れた根因 倒錯した「男らしさ」の背後にあるもの

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8月2日、取材に応じる日本ボクシング連盟の山根明会長(写真:共同通信)

とんでもないオジサンが登場したものである。日本ボクシング連盟の山根明会長のことだ。

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企業幹部のコミュニケーショントレーニングを生業とし、これまで1000人以上のおじ様たちのコミュニケーションを観察してきた、自称「オジサン研究家」の筆者の目から見ても、これだけ、トップとしての「品性」に欠けた人はそうそういない。いつもであれば話題となったインタビューや会見の内容を分析して、問題点を指摘するところだが、あまりにもその言動がお粗末で、文字を費やすのももったいないくらいだ。

仮にも2年後にオリンピックが行われる国のアマチュアボクシング界の頂点に立つ人だと考えると、本当に嘆かわしい限りだ。レスリング、日大のアメリカンフットボール部の監督など、次々と明らかになるスポーツ界の指導者の不祥事。絶対的なヒエラルキーの中での、上意下達的、パワハラ的な「体育会コミュニケーション」が時代にそぐわないことを露呈している。

リーダーに求められる資質とは何か

さすがに一流企業のトップにはこんな人はまずいないのだが、そもそも、どうしてこのような人物が組織のトップとして君臨できたのだろうか。

リーダーの資質とは何か。30万人のビジネスパーソンが選んだ「リーダーに必要なスキル」によると、人を鼓舞する力、高潔性や誠実性、問題解決力、高度なコミュニケーション力などが求められている。

少なくとも、山根会長がこれらの資質を十分に満たしているようには、表面上は見えない。経歴も謎めいており、現役時代の輝かしい実績が伝えられるわけでもない。「僕は世界からカリスマ山根と言われている男」「世界で有名人ですから僕は」などと徹底的に自画自賛し、自らを「終身会長」に祭り上げる。彼の言動から見えてくるのは、強烈な自己顕示欲と権力欲である。

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