「犬の散歩」ほど侮れない運動はそんなにない 犬が喜ぶという効果もバカにできない

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研究チームは飼い主たちに、リードをつけた際の犬の行動を改善することが授業の目的だと説明。だが真の目的は、犬を散歩させる時間を延ばすことで、飼い主が体を動かす時間が増えるかどうかを調べることにあった。

そこで飼い主の半分には、6週間にわたるクラスを受講させ、残りの半分には定員いっぱいなので空きが出るのを待っていると説明して対照群とした。受講組は犬とともに週に何回か授業に出て、犬の散歩の記録を残すとともに、記録用に活動量計を身につけるよう指示された。また、クラスが終わった後も6週間は折にふれて活動量計をつけ、犬の散歩は全部記録しておくよう指示した。

長雨の日々でも運動量を維持できた

記録と活動量計のデータから、対照群の人々と比べて受講者の散歩時間が受講中もその後も週当たり数分長くなったことが明らかになった。だが驚いたことに、飼い主の週当たりの運動時間の合計に変化はなかった。

ビコフスキーは、天候が問題だったのではと考えている。当時、現地では長雨と低温が続いていたので、犬の散歩時間が多少なりとも増えただけでも大したものだというのだ。

さらに重要なことに、受講者の大半は犬との絆が深まり、犬の行動にも満足できるようになったと答えていた。「他の研究から、散歩により期待される最良の効果は犬との絆が深まることであるとわかっている」とビコフスキーは言う。

ビコフスキーは今後、もっと規模を大きくして同様の実験(ただし飼い主の運動量を増やすという目的を隠さずに)を行う計画だ。またそれとは別に、犬用に作られた活動量計を使い、リードがついているときとついていないとき、それぞれの犬の自発的な動きのパターンを調べる計画も立てている。

「犬の散歩には、(飼い主に)もっと運動する気を起こさせる大きな可能性が秘められている」とビコフスキーは言う。

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