ライオンズ一筋・栗山巧が語る17年目の今 幅広い活動を行い続ける「責任感や使命感」
西武は2012年に「ライオンズこども基金」を設立した。
埼玉県内の児童館と児童養護施設(全121施設)に球団マスコットのレオとライナがデザインされた遊具を寄贈したり、選手グッズのオークション収益で「ライオンズかるた」や「食育ランチョンマット」を製作して学校に提供したりと、地域の子供たちへの還元を続けている。
実はこの基金の発案者も、当時選手会長を務めていた栗山だった。
「選手が子供たちを球場に招待したり、施設を訪問したりと、個々でいろんな活動をやっていますが、それとは別の形で全選手、球団、ファンが一体となって何かできたらいいんじゃないかと思ったんです。一部の選手だけがやるのではなく、ファンも含めてライオンズみんなでやっているんだと思ってもらえたら嬉しいなって」
栗山が示す責任感や使命感
昨今あらゆるプロスポーツ競技において、選手の社会的責任やチームの地域貢献の重要性が注目されるようになった。栗山の行動力からは、まさにプロ野球選手としての「責任感」や「使命感」が垣間見える。
「“プロだから”支援するという気持ちが特別強いわけではないので、使命感とまではいかないかもしれないですけど、プロ野球選手をやらせてもらっていて、プレー以外でも、それかプレーを通じてでもいいのですが、何か競技とは違う形で還元したいという気持ちはありますね。
プロとしてそういう役割もあるのかなとは感じています。もちろん、その先には野球というスポーツを知ってもらいたい、好きになってもらいたいという気持ちもあります」
支援活動で出会う子供たちとの触れ合いからは、栗山自身が学ぶことも多いようだ。
「どんな境遇であっても前向きに頑張っている。本人たちには『頑張っている』という意識はないかもしれないけれど、そういう姿を見ると僕にとっても大きな気づきになりますね」
栗山が発案した「こども基金」を通じて、チームはグラウンドの外でも一つになろうとしている。
チームの飛躍を見ていると、その活動は地域の子供たちだけでなく、グラウンド内にも還元されているように感じられる。
栗山が冒頭で語った「今までの積み重ねによる進化」には、社会的な活動によるチームの精神的成長も含まれているのだろう。
(文中敬称略)
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