開幕6連勝!辻監督語る西武「復活」への改革 Bクラスから昨季2位、今季優勝も夢ではない
オープン戦終了直後の練習日、埼玉県所沢市にある本拠地・メットライフドーム近くの狭山山不動寺で必勝祈願を済ませた埼玉西武ライオンズの選手たちは、きたる開幕日(3月30日)に向けて最終調整を行っていた。
監督である辻はノックバットを片手にその様子を見守っていたが、そのバットを選手への指導に使うことはほとんどない。そばにいる選手に声を掛けては、親しげに白い歯を見せている。
「技術的なことを教えることもありますよ。だけど、それよりも茶茶を入れる感じかな(笑)。もちろん、選手のタイプによって接し方も変えていますけどね。僕は昔から性格的に、『何事も楽しくないと』っていう考えがあるから。
当然、試合に入ったらそれどころではないけれど、やっぱり普段からいい雰囲気を作っておくことって大事なんですよ。特に勝負の世界はね。1つのプレーでベンチがわぁっと盛り上がれば、劣勢でも『まだいける』っていう気持ちになれるものだから」
正直まだ、コーチという感覚は抜けない
1999年に現役を引退後、ヤクルトスワローズ(当時)で2年、横浜ベイスターズ(当時)で3年、中日ドラゴンズで8年間の指導経験を積んだ。二軍監督を務めた時期もあったが、多くの時間をコーチとして過ごし、選手たちと直に向き合ってきた。
「昨年から監督をさせてもらっていますけど、正直まだコーチっていう感覚が抜けないですよ。理想の監督像って、自分でもよくわかりません。ただ、監督とコーチの役割がまったく違うことは、今までの経験からも理解しています。監督がすべて口を出してしまったらコーチは踏み込めなくなるし、指導者として成長することができなくなる。
だから、基本的に僕は選手のことを見ているだけです。もちろん、最終的な決定権や責任は監督にあるわけだけど、コーチには『監督がこう言ってるからこうだ』っていうふうになってもらいたくない。イエスマンにならずに、『僕はこう思います』とどんどん言ってほしいです」
とはいうものの、選手やコーチとして長年ユニフォームを着て現場に立ち続けた性(さが)か、練習中や試合中につい声が出てしまうことも珍しくはないそうだ。「ただ見ているだけ」というのは、口で言うほどシンプルなものではないらしい。
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