「夫へのマイナス感情」をプラス転換する妙策 やり場のない感情を社会課題解決に活かす道

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年収がそれぞれ700万円を超える夫婦を「パワーカップル」と言い、2017年は2013年に比べて5万世帯増の26万世帯に上った。

一見裕福で幸福にみえるパワーカップル。だが、筆者の周りでは最近、40~50代の離婚話が多く聞こえてくるようになった。その背景には、妻による夫への支配欲求が高まっていく構図があると考えられる。

パワーカップルの妻は総合職であるケースが多く、会社や夫と対等な関係を築いているが、出産後ガラっと景色が変わるとの声を筆者はよく耳にしてきた。

たとえば、復職後の同僚や上司の態度が変貌して「2軍扱い」を受けたり、自由に残業している同僚の働き方にいらだちを覚えたり、与えられる仕事の規模やレベル、面白さが落ちてきたりして、まったく別の会社に一般職で再就職したようだという。

夫婦の思惑にはズレがある

さらに家庭では、自分が思うようにうまく事が運ばず、有能感を失うことから自己肯定感が満たされず苦しむケースが増えている。時間どおりに動いてくれない子ども、自由気ままに残業や寄り道する夫……家庭と仕事の両立に奮闘した女性なら、一度は経験があるのではないだろうか。

かといって、夫が何もしていないわけではない。海外と比較すると低レベルではあるものの、以前に比べて家事や育児に参画するようになっているのは事実だ。

社会生活基本調査によると、6歳未満の子どもを持つ夫が1週間に家事・育児に当たる平均時間は、1996年の38分から2016年の83分へと20年で2倍以上に増えている。

ただ、夫婦の思惑にはズレがある。

妻は夫と自分を比較するが、夫は過去の自分や父親像と比較して自らを評価する。こうなると、話はいつまで経っても平行線だ。妻が現状に不満を抱いて夫に協力を求めても、夫は自分がどれだけ努力しているかを主張し、やがて夫婦間に亀裂が生じる。

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