「夫へのマイナス感情」をプラス転換する妙策 やり場のない感情を社会課題解決に活かす道

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夫に不満を募らせるくらいなら、そのエネルギーを社会に役立てるのも1つ。写真は本文と関係ありません(写真:absolut_100/iStock)

子育て中の夫婦の間は何かといざこざが絶えない。いざこざの大半は「夫の家庭内進出」だ。妻が夫に「家事・育児に参画してほしい」と話しても、夫は「自分はやっている方だ」と言い、話が平行線になることもしばしば。

育児休業明けで会社に行くと急に「2軍扱い」を受け、家庭に戻れば夫や子どもに振り回されるばかり。妻はやり場のない感情をどこに持っていけばいいのか。

夫婦ともに年収400万円超の世帯が増加

まずは、夫婦を取り巻く現状を確認しておきたい。

日本では現在、共働き世帯(夫婦ともに就業者、農林業は除く)が増加している。労働力調査によると、1997年に専業主婦世帯(夫が就業者で妻が非就業者、農林業は除く)を上回り、2017年には専業主婦世帯の1.85倍となっている。

年収にも変化がみられる。夫婦ともに年収400万円以上の世帯は、2013年の131万世帯から2017年の163万世帯へと、24%も増加している。労働時間がともに週35時間を超える夫婦も、2013年の405万世帯から2017年の467万世帯へと15%増えている。

かつては夫がフルタイム勤務で妻はパートタイム勤務のカップルが主流であったが、現在は夫婦ともにフルタイムで働く共働き夫婦が増加しているのだ。

この変化の背景には、第1子出産時退職者の減少により、正社員を継続して年収をある程度キープできるようになったことが考えられる。国立社会保障・人口問題研究所によると、第1子出産後の就業継続者の割合は、2005~09年の29.0%から2010~14年の38.3%へと1割近く上昇している。

加えて、夫婦となる出会いのきっかけとして、同じ大学や同じ職場内で結婚すれば、おのずと同程度の収入のカップルが誕生するため、高収入の男性は高収入の女性と結婚しやすくなっていることを鑑みると、納得できるデータだ。

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