「高齢男性による政治」が日本の諸悪の根源だ 女性議員比率は北朝鮮・サウジアラビア以下

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政治分野でも男女平等を実現する必要がある(写真:SIphotography/iStock)

政治家の暴言が止まらない。今に始まったことではないが、こと最近の暴言には目に余るものがある。

麻生太郎財務大臣が「セクハラ罪という罪はない」と言えば、萩生田光一元副官房長官は「パパの子育ては子どもにとって迷惑」と放言し、長尾敬衆議院議員はセクハラに抗議する女性議員の写真に「セクハラとは縁遠い方々」と書き添えてツイートする始末。他にも枚挙にいとまがない。

これは政治家の資質の問題もあるが、自身が市民から遠い世界に入り込み、「エコーチェンバー現象」となっていることが原因と考えられる。

「内輪の論理」で世間と乖離していく

エコーチェンバーとは反響する小部屋という意味で、小さな部屋に同じ意見の人が集まって議論すると、やまびこのように同じ意見しか聞こえない現象を指す。

この現象に陥ると、違う意見の人は同じ部屋に入ってこない。同じ意見の人と議論しているだけなので、自分たちがより正しいと思い込んでしまい、意見の違う人を特殊な人だと思ってしまう構造的な問題がある。

例えば、「子どもは3歳まで母親が育てるべき」という理念を掲げている政党があったとしよう。当然、その政党には同じ考えを持った人たちが集まってくる。すると、この価値観の中でどんどん議論が進む。

その結果、世間では子育てをする父親が増えているにもかかわらず、市民感覚と乖離していることにまったく気づけない。そして、世間から批判されるような暴言が繰り返される。

どこかの国の政党がこれによく似ているのではないだろうか。

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