しかし親の熱意は、近年、やはり高まっているという。
「熱心な親御さんが増えているのも事実ですね。うちからは有名なプロ選手が何人も出ています。甲子園の出場選手も、ボーイズとリトルシニアで半分と言う感じでしょうか。とにかく試合が多いんです。だから100人を超えるような大きなチームでは1軍はこの大会、2軍はこれ、と分けるので、控えの子にも出場機会はあります。
以前は夏休みを中心とした3カ月の大会は、25人の固定メンバーで戦っていましたが、関西では昨年から、関東では今年から、メンバー登録を毎試合変更できるようにしました。これまでは、試合に出ずっぱりで疲れてしまう子どもがいる一方で、試合に出られない子もいました。それを改善したんです」
これから目指すのは「みなさんから選んでいただける団体」だという。
「最近は、プロ野球と社会人、大学のオープン戦が実現するなど、野球界の一体感が生まれてきました。2020年の東京オリンピックへ向けて、野球界が一つになって野球振興に取り組むべきです。リトルシニアも大いに協力します」
親の熱意は学習塾と何ら変わりがない
規模も大きく、知名度も高い東西の両雄の取り組みを見るだけでも親の熱意は相当なものだ。後編で紹介するヤングリーグもポニーリーグも今回取り上げた2団体と比較すればチーム数も部員数も半分以下の規模感となる。
後日、大阪府の松原ボーイズを取材した。
練習場には、平日の夕方にもかかわらず、車が次々と停まり、中からユニフォーム姿の中学生たちが出てくる。送り迎えをする母親は「お兄ちゃんもここで野球をしたので、お茶当番は苦にはならない」といった。
別の車の父親は「やるからには、プロを目指してほしい」と期待を語った。コーチは「そんなに甘いものではない」と言ったが、少年野球にかける親の熱意は、近頃の学習塾と変わらないと筆者は感じた。
(後編は7月22日配信)
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