「野球離れ」でも高まる少年硬式野球への期待 ボーイズリーグとリトルシニアの動向・前編

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【ボーイズリーグ(日本少年野球連盟 本部:大阪市)】
・創設:1970年
・チーム数:605、部員数:20000人
・主なプロ野球選手:内川聖一(ソフトバンク)、黒田博樹(元広島、MLB)、T-岡田(オリックス)、ダルビッシュ有(元日本ハム、MLB)、田中将大(元楽天、MLB)、前田健太(元広島、MLB)、福留孝介(元中日、MLB、阪神)、筒香嘉智(DeNA)、藤浪晋太郎(阪神)、小林誠司(巨人)

ボーイズリーグは、硬式野球の中学年代クラブチーム日本一を争う全日本中学野球選手権大会 ジャイアンツカップで、過去24回のうち、12回優勝チームを出している。残りの12回はリトルシニアだ。チーム数、部員数もリトルシニアと双璧。

ボーイズリーグの日本一を決める報知新聞社主催の第48回日本少年野球選手権大会、中学生の部で2017年に優勝した飯塚ボーイズ(筆者撮影)

「うちは大阪が発祥です。母体となったのは南海ホークス友の会です。この会からジュニアホークスと言うリトルリーグのチームができました。

でもリトルはアメリカ発祥で、離塁はできないし、塁間も狭い。

大人たちの間で本当の野球を教えたいという気持ちが高まって、南海ホークスの大監督だった鶴岡一人さんが呼び掛けて、ボーイズリーグが発足しました」

伊藤俊事務局長は話す。プロ野球選手が創設したリーグだけに実戦本位で、勝利に結びつく野球が特徴だ。

「うちは小学生の部もありますが伸び悩んでいます。子どもの絶対数が減る中で、いろんなスポーツで選手の取り合いになるのは仕方がないでしょう。中学校の軟式野球部は指導者がいなくなっています。野球をやりたくてもできなくなって、そういう子どもがボーイズに入ってきているという面はありますね。うちは講習会もたびたびやりますし、指導者はしっかりしています」

塾のような感覚で野球を習いに来る

ボーイズに子どもを入れる親の意識は、最近変化してきたという。

「昔は勉強ばかりではいけない、何かスポーツを、それなら親も馴染みがある野球で、という家が多かったように思います。進学も高校の硬式野球部から声がかかれば行くけれど、声がかからなければ普通の高校に進学するという感じでしたが、今はボーイズに入った段階で”野球強豪校に入りたい”言う親子が多くなった印象です。趣味、習い事ではなく、塾のような感覚ですね」

近年の少年野球は、親の負担も大きいが、これも「塾」に近い感覚と言えよう。

松原ボーイズの練習を見に行った際は、用具がきれいにそろえられていた(筆者撮影)

「月謝は平均すると1万5千円ぐらい。高いところでも2万円程度。以前はもう少し高額なところもあったようですが、あまり高額だと選手の確保が難しいのが現状です。チームによって月謝は安くても遠征費、父兄会費など別途徴収している場合もあります。

いまどきグランド1つでも安全面を考えれば近所の空き地と言うわけにはいきません。野球場をおさえるとなると経費がかかります。革製のボールは高価ですし、劣化も早いです。硬式野球はおカネがすごくかかるのは事実です。親御さんはそれを承知で子どもを入れておられます。でも、指導者は原則としてボランティアです。熱意でやってもらっています。

少年野球と言えば親の”お茶当番の負担”と言われます。共稼ぎが多い昨今は、練習に付き添うのは大変ですが、夏にお茶も何もなしとはいきません。昔のように毎週両親そろって出てください、とは言えなくなりましたが、人を雇う余裕はないので、できる範囲で、なるべく少ない人数で順番に負担していただくようになってきています」

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