札幌を旅したい人に教えたい最新カフェ事情 モーニングのスパゲティからシメパフェまで

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今から22年前の1996年は、日本のカフェ文化にとって特筆される年だ。この年、米国の「スターバックス」が日本に進出。1号店を東京・銀座に開いた。場所は老舗百貨店・松屋の裏で、当時“スタバマニア”と呼ばれた熱狂的なファンには「銀松」と呼ばれた。

同じ年、現在は札幌のカフェ文化の一翼を担う個人店(個人経営の店)「森彦」が開業した。1号店の場所は、地下鉄東西線・円山公園駅から徒歩数分。「札幌では珍しい入り組んだ路地を通った住宅街の一角」(和田氏)という場所に、古民家を改造した店がある。

森彦は、店によって表情をガラリと変える。その理由は「まずは物件ありきだから」と市川草介氏(アトリエ・モリヒコ代表取締役)は明かす。周辺の立地を考慮して景観に溶け込ませるのも空間デザイナーの顔を持つ同氏らしさだ。昭和30年代の木造家屋(本店)なら、そのテイストを崩さずに、使い勝手をよくする。ただし効率性優先の店にはしない。

「プランテーション」の外観(筆者撮影)

数年前に訪れた「プランテーション」(白石区菊水)も今回再訪した。こちらは以前、ボイラー工場だった。「屋根裏部屋にほれ込んで、ワクワクする自分がいた」という市川氏は、その体裁を生かしなら、こだわりのカフェにした。自家焙煎のコーヒー豆も人気だ。

一連の取り組みが評判を呼び、現在は札幌市内に7店を展開する。その中には、TSUTAYAとコラボしたブックカフェもある。こちらは約1000坪の商空間をデザインした。

新たな文化「シメパフェ」も定着

夜のススキノでは、道新記者の案内で「シメパフェ」を楽しんだ。ご存じの人もいるだろうが、お酒の後でラーメンではなく、パフェで締めるものだ。

男性4人、女性3人の総勢7人で訪れたのは「カフェ エ クラフト ユエ」(中央区南3条西4丁目。2011年開業)という個人店。商業施設「アルシュ」の隣にあるビルの上階で、店内は落ち着いた空間だ。「海外の国立図書館」をコンセプトにした内装だという。

午後5時までは「サラダセット」「ベーグルサンドセット」「フレンチトーストセット」と3種類の食事メニューが楽しめる。夜は「お酒とパフェ」「ドリンクとパフェ」のセットが中心。この提供を始めたのは2013年と、シメパフェ人気前からの取り組みだ。

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