リスクプレミアムがなぜ存在するのかというと、投資家がリターンの変動を嫌うからだ。近時のような株価の下落は、投資家としては「嫌な感じ」がするものだが、この「嫌な感じ」の確かさこそが、株式投資に高いリターンが期待できる理由なのだ。昔、まずいけれども体にいいことを訴えた、「キューサイの青汁」のCMがあったが、株式投資の正しい気分はあれに似ている。「う〜ん、まずい。もう1杯!」くらいの心持ちがいい。特に日本株投資に不安を覚える方が気にするポイントについて、「合理的へそ曲がり」流の解釈を2つお伝えしておこう。
低成長な日本経済を愛するべし
まず、「今後人口が減るので経済成長率が上がりにくい日本株に投資しても儲からない」という意見に対してはどうか。
「合理的へそ曲がり」は、将来の利益成長の予想が、低くても、高くても、それが現在の株価に反映しているなら、株式投資へのリターンはおおよそ同じはずだ、と答える。それは、成長率がマイナスでも同じだ。
先の、割引率が5%で、一株利益が100円の株式の理論株価を考えるとして、利益成長率が+3%なら株価は5000円だし(100÷(0.05−0.03)=5000)、利益成長率が−3%だと株価は1250円になる(100÷(0.05+0.03)=1250)。
それぞれのケースで、理論株価で投資する場合の期待リターンは年率5%だ。日本の人口が減ることも、日本経済が低成長であることも、多くの人がすでに知っていることだ。株式投資家は低成長を嘆く必要はない。
むしろ、日本経済に対して過剰な悲観がある場合には、これが株価に反映していて、将来それが修正されて金利+リスクプレミアムよりも高いリターンが期待できる状況があるかもしれない。
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