「合理的へそ曲がり」式日本株投資のススメ

低成長の日本を愛し「ダメ会社」に注目すべし

株価が下がるのは、悪材料があって下がるのだが、現在の株価に対して悪材料の反映が不十分なのか過剰なのかの判断は、誰にとっても難しい。結局、「現在利用可能な情報と判断は、現在の株価に反映しているのだろう」というくらいに考えて、株式市場と付き合い続けるのが得策だろう(「絶対」とは言えないので、語尾は「だろう」としておく)。

たとえば、現在、米国のドナルド・トランプ大統領が仕掛けた貿易摩擦が株式市場の懸念となっているわけだが、長期投資家風には「現時点で見えている貿易摩擦の悪材料はすでに現在の株価に織り込まれているのだろうし、この先貿易摩擦がどうなるかわからないのだから、売ったり買ったりする理由がない」と考えているといいし、あるいはさらに踏み込んで「トランプがいつまでも大統領でいるわけではないし、保護貿易が不利益なら、将来保護的措置は撤回されるだろうし、その場合の株価へのプラスのインパクトは大きいはずだ。長期投資なのだから、慌てるには及ばない」と考えてみることができる。

投資のコツは「合理的へそ曲がり」

「投資のコツは何だ?」と問われたら、筆者は、「『合理的へそ曲がり』であることだ」と答えたいと思っている。チャンスは、「心理的・感情的にはやりにくいが、よく考えてみると合理的だ」という選択にある。「人生にあってもそうなのだよ」とまで大風呂敷を広げようとは思わないが、株式投資のようなゲームにあっては、基本的な発想法だ。

そもそも、株式投資が儲かる根本原理を利用すること自体が「合理的へそ曲がり」に近い。

理論上、株価は、予想される将来の利益を現在価値に割引いて評価したものの合計だと考えられるが、この際の「割引率」には、リスクを負担する嫌な気分を補償する追加的な期待リターンである「リスクプレミアム」が入っていると考えられる。これが、無リスクの資産に投資する金利よりも、株式投資のほうがリターンは高いと期待できる理由だ。

無リスク資産の金利が0%、リスクプレミアムが5%なら、割引率は5%だ。たとえば、将来の一株利益がずっと100円だと予想される株式の理論株価は、2000円だと計算される(100÷0.05=2000)。この株式に2000円で投資する場合の期待リターンは年率5%だ。

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