シンガポールが米朝会談にかけた警備の中身 東京五輪に生かす最新テロ対策事情
米朝首脳会談がまさに行われる舞台となり注目された、シンガポール南部のリゾート・アイランド「セントーサ島」。高級ホテルやカジノ、世界的にも有名なレジャー施設が並ぶシンガポール有数のビーチリゾートで、本島からも徒歩や車で簡単に行ける。地元の家族連れや観光客が多く集まるこのリゾート島で今年1月、平和な空気が一変する出来事が起きた。
テロ訓練が盛んに行われ始めたシンガポール
セントーサ島屈指の人気スポット、家族連れでにぎわう子ども向け職業体験施設「キッザニア」に突如拳銃を持った3人の覆面男たちが突入。銃声と発砲音が鳴り響くなか、次々に床に市民が倒れてゆく。助けを求める叫び声が響くなか、武装した警官が突入した――。
実はこれ、シンガポール政府が近年力を入れているテロ対策の訓練の一環だった。シンガポール政府は近年、テロ対策の強化に力を入れていることは、「米朝首脳会談の舞台で警戒されるテロの脅威」で報じた。
シンガポールのテロ対策は今、国民をも大きく巻き込んで本格化している。去年の暮れ、シンガポール人の不動産業に携わる男性とテロ対策や警備について話をしていたところ、突然「このアプリ、ダウンロードしている?」と尋ねられた。
ゲームか何かの話に切り替えられてしまったと思い、話題が横道にそれたと内心少しがっかりするも、彼がぐいっと突き出してきたスマホの画面に写されていたのは、なにやらシリアスな「SGセキュア」の文字。何のアプリか尋ねると「テロ対策のアプリさ」と誇らしげに言う。詳しく見せてもらうと、不審者を見掛けたときなどの緊急時に、警察に現場の写真や動画をすぐに送って通報できる画期的なシステムになっている。
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