新幹線殺傷事件は、もはや「想定外」ではない

事件の4日前に訓練を行っていたのだが…

送検のため神奈川県警小田原署を出る小島一朗容疑者=11日午前9時12分(写真:共同通信)

6月9日、新横浜―小田原間を走行中の東海道新幹線「のぞみ265号」で刃物を持った男が突然乗客に切りつけ、男性1人が死亡、女性2人が重傷を負うという事件が起きた。

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約3年前の2015年6月30日には、やはり新横浜―小田原間で起きた「のぞみ225号」車内の焼身自殺事件で、巻き添えとなった女性が死亡している。悲劇は繰り返された。

JR東海は「乗車中のお客様が死傷に至る列車事故ゼロを継続している」として高い安全性をアピールしている。しかし、いくら列車運行の安全性を高めたところで、このように焼身自殺や殺傷事件が繰り返されると、新幹線の信頼性が損なわれかねない。

刃物トラブルは2年前にも起きていた

JR東海はセキュリティ対策として、客室やデッキ部への防犯カメラ設置を進めている。昨年12月には全編成の9割に相当するN700Aタイプへの設置が完了した。カメラ未設置の700系は2019年度末までに引退が決まっているので、2020年春には全編成で防犯カメラが設置されることになる。

JR東海は「犯罪や不審行為への抑止力の向上につながる」(同社広報部)と期待しているが、事件の起きた客室内にも防犯カメラは設置されていた。残念ながら防犯カメラを設置あうるだけでは犯罪の抑止には限界があると言わざるを得ない。

駅に置かれた不審物の処理、駅で刃物を持って暴れている不審者の取り押さえといった訓練については、これまでもJR東海は警察や消防と協力しながら実施してきた。さらに最近では、駅だけでなく、車内での不審者対応についても訓練が行われている。

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