企業側が利用するケースも増えている。ダイレクトソーシングを実施している企業は全体で23%となっており、2018年卒採用の16%から7ポイント増えている。「301人~1000人」の企業規模では、14%から25%と、10ポイント以上も多くなった。
採用活動のデータは企業規模によって数字が大きく変わることが多いが、ダイレクトソーシングについては、大手企業と中堅・中小企業でさほど変わらない。近年、なかなか思うように採用できない企業が増えているため、今主流の就職ナビ以外の採用手法にトライしている傾向だ。
効果のある採用手法はすぐに広まるため、数年もすればダイレクトソーシングを実施する企業は半数を超えるに違いない。
直接、人材に接触する手法がダイレクトソーシングだが、その方法もいくつかある。逆求人の場合は、「逆求人サイトの活用」と「逆求人セミナーの活用」に分けられ、リファラル採用も「社員からの紹介」「内定者からの紹介」「取引先等からの紹介」と、ルートによって分けられる。そのほかにも「SNSの活用」というのがある。
社員が紹介する「リファラル採用」が増えている
逆求人サイトや逆求人セミナーは採用支援サービスを行う企業が存在するが、社員紹介やSNSの活用などは人事部が主体になって推進していく必要がある。
なお、実際の実施内容を見ると、「逆求人サイトの活用」が最も多く、55%と半数を超える。続いて「社員からの紹介」が48%、「内定者からの紹介」が23%であり、「逆求人セミナーの活用」は16%とまだ少なく、「取引先等からの紹介」「SNSの活用」は10%にとどまっている。
逆求人など新しい採用チャネルについて、人事では戦略的にチャレンジしていることがわかる。
しかし、わからないこともある。ダイレクトソーシングの実施内容ではっきりしないのは、従来型の縁故採用との違いだ。新卒採用は就職ナビ一辺倒と批判されたものの、社員や取引先の紹介はいつの時代にもあった。紹介される学生は信用が担保できる人材だし、辞める確率も低いから、有利に処遇されてきた。
もしかすると、従来からやっていた「紹介」を、ダイレクトソーシングにカウントしている企業もあるかもしれない。
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