年の差婚夫婦が直面するマネー「3つの難問」 「アラフォー」「アラフィフ」の老後は大丈夫?

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大坪:7年間でおカネがいちばん増える方法を教えてください。

岩城:7年でも1年でも20年でも、方法は原則として同じです。一般的に株式に投資をするのが平均的にはリターンが高いです。でも7年後に確実に増えるとは言えません。マーケット次第です。大坪さん、お気持ちはわかりますが、落ち着きましょう。今の状況では、間違った商品をすぐ買ってしまいそうです。

一見好条件の豪ドル建て終身保険でおカネを増やせる?

大坪:実は、相談に行ったほかのFPの方にある商品を勧められて、買おうかと考えています。

そう言って大坪さんが差し出したのは「一時払いの豪ドル建て終身保険」でした。今、非常に熱心に売られているものです。1豪ドル=85円で計算されていますので、保険会社に払いこむおカネ(一時払い保険料)は円換算で約300万円です。豪ドルで運用され、20年目に解約すると解約返戻金は豪ドルで支払われます。その返戻率は155%(豪ドルが同じレートなら465万円)にもなるというものです。円建てよりも利率が高いので、保険期間中の死亡保険金額も高くなり、約750万円と示されています。

大坪:「円建てのものの半分くらいの安い保険料で、死亡保障が持てるのでお得」だと言われました。ちょうど子どもが大学に行く頃に満期になるので、それまで増やして、学費に当てればいいと勧められたのです。

岩城:保険料は、予定利率に基づいて計算されます。確かに今は円建ての貯蓄性商品は、予定利率が低いため保険料が高いですね。

しかし、外貨建ての保険は、死亡保険金額も受け取る保険金額も外貨で確定されたものです。この設計書は1豪ドル=85円で計算されています。あくまで為替が変わらないという前提での解約率155%です。しかし、将来、為替がどうなるかはわかりませんよね。為替の変動で受け取り時の円換算額が契約時を下回る可能性もありますよ。

そして、問題がもう1つ。現在の貯蓄額は300万円ということですが、それを全部つぎ込んでしまうことです。今後、まとまったおカネが必要になったときにどうしますか? おカネの大きな特性の1つに「いつでも何にでも自由に使える」ということがあります。「保険」におカネを置いておくと、急に必要になったとき、解約すれば解約控除がかかります。自分の保険から借り入れができる「契約者貸付」という制度もありますが、もちろん利息は取られます。外貨建ての場合、円に換算する手数料もかかります。資産の一部ならまだしも、全財産を流動性が極めて低いところに置くのはいかがなものでしょうか。

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