W杯の「サッカー・スパイク戦争」が熱すぎる

長友のオーバーラップを可能にする「あの靴」

日本代表では、長友選手が【マーキュリアル】を愛用しています。ワールドカップでも見られる長友選手の、敵を窮地に陥れるあのオーバーラップには、この【マーキュリアル】が欠かせないのです。俊敏に速く走れると同時に、走り出すタイミングが計りやすく、反応を速くできるので、「判断をサポートするスパイク」とも言えると思います。

また、アッパー(足の甲を覆う部分)全体を、NIKE独自の革新的テクノロジーである「フライニット」という素材が覆っていることで、「素足のまま走っているような感覚」でプレーできる。長友選手がディフェンスに一目散に走っていくあの姿を支えているのは、このスパイクの強烈な個性なのです。

ネイマール選手も長友選手も同じ【マーキュリアル】を履いていますが、足首が非常に柔らかくてドリブルやタッチが得意なネイマール選手は、足入れを低くカットしたローカットの【マーキュリアル】を履いています。一方の長友選手は、直線的な走り出しがしやすいよう足首までフライニットで固定されたものを履いている。

同じ【マーキュリアル】でもそうした違いから、改めて選手のプレースタイルに気づかされたりもします。先日のD組「アルゼンチン×クロアチア」戦で、劇的ゴールを決めたモドリッチ選手が履いていたのも、この【マーキュリアル】でした。

「点取り屋」ならこのモデル

点取り屋の御用達【ハイパーヴェノム】
【ハイパーヴェノム】得点を取らせるためのスパイク(ハイパーヴェノムファントム3エリートHG、写真:Futaba SOCCER WORLD)

そして【ハイパーヴェノム】は得点を取らせるためのスパイク、ゴールを陥れるスパイクです。

一般にシュートの60%は、インフロントとよばれる「インサイドの前側」で決まるといわれています。【ハイパーヴェノム】はナイキのスパイクの中で唯一、靴紐の位置が外に向いているサイドレースになっていて、レースの内側、インサイドの部分にキック力が伝わりやすいよう、ヒットする場所が高く広くとれるように設計されています。

日本の選手ではドイツで活躍するFW浅野拓磨選手やスペインの井手口陽介選手が、【ハイパーヴェノム】愛用者です。また、先日のA組「ウルグアイ×ロシア」戦で得点を決めたウルグアイの最強FWカバーニ選手も履いています。彼はワンタッチゴーラーと呼ばれ、味方のパスにワンタッチでゴールを決めるのがうまい選手です。

正確なボールタッチを生む【ティエンポ】

最後に【ティエンポ】は、「ボールを止めて蹴る」をしやすくする、ボールタッチを重視したスパイク。

【ティエンポ】ボールタッチを重視したスパイク(ティエンポレジェンド7エリートHG、写真:Futaba SOCCER WORLD)

日本代表ではDF昌子源選手、遠藤航選手、世界ではスペイン代表のセルヒオ・ラモス選手など、センターバック、ボランチなどボールをしっかりコントロールしなければならない選手に愛用されています。

ナイキの中では珍しく天然皮革を使っているモデルで、アッパーにカンガルー皮を採用しています。ナイキは『SHOE DOG』にも書かれているとおり、人工的な皮革をアッパーに使うのが得意なメーカーですが、これはあえてカンガルー皮を使っていて、そこが面白い。

次ページ足下に注目すれば、代表戦はもっとおもしろくなる!
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