W杯の「サッカー・スパイク戦争」が熱すぎる 長友のオーバーラップを可能にする「あの靴」

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それは、「結果を出させる靴」「試合を決定づけるスパイク」であるということ。このコンセプトがさまざまな面でハッキリと具現化されていることが、ナイキの強みだと思います。

今大会、「ナイキのスパイク」が大暴れ

先日のE組グループリーグ「ブラジル×コスタリカ」戦では、序盤からコスタリカが組織力を発揮して善戦、王者ブラジルはずっと攻めあぐねていました。しかし後半6分のアディショナルタイム、最後の土壇場で、ブラジルのネイマール選手とコウチーニョ選手が劇的ゴールを次々と決めて勝利を収めました。このふたりが履いていたスパイクは、いずれもナイキ。まさに、ナイキのスパイクが試合を決定づけた瞬間だったと思います。

サッカー・スパイクを語りだすと止まらないカリスマ「スパイク博士」こと、Futaba SOCCER WORLDの副店長、高橋竜也氏(写真:Futaba SOCCER WORLD)

また、D組の「アルゼンチン×クロアチア」戦。メッシ選手率いるアルゼンチンが0対3で負けるという驚きの試合結果をもたらしたシュートを放ったモドリッチ選手が履いていたのも、ナイキでした。衝撃的なシーンでナイキのスパイクが活躍していることが多いのです。これまでのW杯を見ていると、大げさではなく、ナイキのスパイクが、試合をドラマティックにしている、面白くしているという気がします。

コウチーニョ選手は若い選手ですが、ブラジルではこれからブレーク必至と目されている選手。ナイキはそういった、“勝利を左右しそうな選手”にいち早く目をつけていく力に長けています。実際、クリスティアーノ・ロナウド選手やネイマール選手などもナイキを採用しています。

ただ、目を付けただけでは実際に履いてくれるとは限らない。ナイキ創業者の自伝『SHOE DOG』にも書かれているように、何よりナイキはアスリートに「着たい」「履きたい」「持ちたい」と思わせるのがうまい。私はこれを、「履かせ込む力」と呼んでいます。

その理由のひとつに、「俺も(NIKE契約選手の代名詞になった)マイケル・ジョーダンみたいになりたい!」と思わせるブランド力があると思います。私たちにとってもそうですが、サッカー選手にとっても、ナイキは断トツで「カッコいい」ブランドなのです。

サッカー小僧というのは、子どもでも選手でも、 “カッコいい”ものを「持ちたい」「履きたい」という気持ちが強いんですね。ナイキは選手たちにとって、つねにカッコよさを提供してくれる圧倒的なブランドなのだと思います。

このナイキのスパイクのブランド価値を創り出しているのは、やはりあのデザインでしょう。デザインの可能性を最大限に引き出すナイキのロゴ、スウッシュがいいんですね。『SHOE DOG』には、スウッシュが生まれた背景や考え方などがよく描かれていています。「実は学生が考えた」などカルトな話も満載で、私にはその一つひとつがたいへんツボにはまりました。

他のメーカーではロゴは必ずしもすべてのスパイクシューズに入っているわけではないのですが、スウッシュはナイキのシューズに必ず入っている。小さくなったり大きくなったり変幻自在で、デザインの可変性が高く保たれています。シューズのフォルム・デザインの構築がしやすいロゴなのでしょう。

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