満足した人生には「幸せの感じ方」が重要だ 人生の後半では「芯」を決め軌道修正をしよう

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100歳まで生きることが、夢物語ではなくなってきています(写真:Fast&Slow / PIXTA)
 人生100年時代。人類がいまだ経験したことのない超長寿時代を私たちは生きています。働き盛りの40代、50代はまだ人生の折り返し地点に過ぎません。齋藤孝氏の著書『人生後半の幸福論 50のチェックリストで自分を見直す』をもとに、「幸せの感じ方」や50あるチェックリストの中から一例を紹介します。

「老後」より「余生」より大事なのは「幸せの感じ方」

人類がいまだ経験したことのない長寿社会の到来──。なかでも日本はその先頭を走っています。お手本にすべき「先例」のない新たな時代を迎えているのです。

働き方にもパラダイム変化が生じています。

60~65歳で定年を迎えても、そこからの人生が30~40年ほどもあります。「定年を迎えたら、後はのんびり過ごす」という生き方は、もはや現実にそぐわなくなりました。60代からを「老後」と呼ぶには早すぎますし、「余生」と言うには長すぎます。

人生が100年近くも続くということを前提にして生きていなかった時代から、明らかにそれを意識しなければいけない時代へと変わりました。

本来、「人生をどう生きるか」というのは思春期から青春期の若者たちがテーマとする問いでしたが、成熟した大人たちの間であらためて「人生をどう生きるか」ということを考え直さざるを得なくなったのです。

雑誌やネットでよく「老後資金としていくら必要か」といった記事を見かけます。もちろんおカネの問題は避けては通れないことですが、はたしてそれがいちばん大事な問題でしょうか。

それ以前に大事なのは、「自分はどういう生き方をすることで幸せを感じられるか」という価値観の再確認ではないかと私は思っています。

老後のためのおカネがたくさんあれば絶対に幸せだというものでもないですし、ただ長く生きればいいというものでもありません。肝心なことは、自分は何があれば幸せなのか、何を大切にして生きていきたいのか──そこです。

価値観は、年齢的なものでも変わってきます。40代くらいまでは、仕事や子育てに追われて忙しい毎日を過ごしています。その時期には、仕事で何を成すかとか、家族をいかに守り養うかということに価値を置くことになります。

しかし50歳前後になると、仕事における自分の立ち位置も変わってくる、子どもが成長して家族のかたちも変わる、健康問題が生じるなど、さまざまな面で変化が起きてきます。価値を感じるものもおのずと変わってきます。

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