欠陥だらけのNISA、どうすりゃいいのさ?

結局、足りないのは日本人の経済感覚

目先のリスクを避けると、結局もっと大変になることも

中野 この問題は結構、根深いですよね。おカネの運用の仕方だけでなく、たとえば就職先を決めるうえでも、この「リスクを悪」と思うメンタリティが、大きく影響している面があります。おそらく、就活中の子供を持つ親ごさんで、子供が名も知られていないベンチャー企業に就職することを、もろ手を挙げて喜ぶ人はほとんどいないでしょう。大半は大企業への就職を望むはずです。でも、長い人生を考えれば、すでに出来上がった大企業に就職することのほうが、むしろ危険なことかもしれません。

藤野 要するに、日本人に足りないものは「経済感覚」ということに尽きるような気がしますね。でも、足りないから仕方がないと言っているだけでは、何も変わりませんから、やはり何とかしなければなりません。そのためにNISAがあると僕は考えます。

渋澤 そのココロは。

藤野 体験を積む機会ができたということですよ。証券マンも銀行員も、さっきからわれわれが言っているような、投資の本当の意味を伝えることはできません。現場をマネジメントしている人たちでさえ、それをよく理解していないのですから。なので、この国では、個人が地道に経験を積んで、投資とは何なのかということを学んでいくしかないと思います。NISAは、これから投資を始めてみようと考えている人にとっては、ちょっとしたインセンティブになるはずです。

渋澤 ただね、もし、これから投資を始めてみようと考えている人たちにとってのインセンティブだとしたら、やはり5年という非課税期間はなくすべきですね。5年の非課税期間を目いっぱい使ってロールオーバーしてあと5年運用すると、10年の非課税期間が得られるということだけど、恒久化というもっとシンプルな制度にすべきです。シンプルでなければ、層が広がることなく、そもそも制度の目的が果たせないリスクが高まります。

中野 それは声を大にして言いたいことですね。

渋澤 それに、聞くところでは、もともとは非課税期間を10年にして、年間投資額を100万円、総額1000万円までを非課税にするという話もあっようですね。ただ、それが、いつの間にか非課税期間5年で、総額500万円に抑えられてしまった。一部から金持ち優遇策という意見が出たから上限を500万円に抑えて、その結果、5年間という短期間の有限的制度になってしまったと聞いています。このような制度は、「金持ち優遇」ではなく、一般国民の「お金持ちづくり」を政府が応援しているというメッセージをはっきりと出すべきだと思います。

中野 日本では、「お金持ちになるのが悪」というイメージがありますからね。

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