「海外就活」が当たり前の時代がやってきた! 岡崎仁美「リクナビ」編集長×森山たつを対談(1)

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岡崎仁美(おかざき・ひとみ) リクナビ編集長兼就職みらい研究所所長。1971年生まれ。京都大学卒。1993年、株式会社リクルート入社。以来、一貫して人材関連事業に従事。営業担 当として中堅・中小企業を中心に約2000社の人材採用・育成に携わった後、転職情報誌『B-ing関東版』副編集長、転職情報サイト「リクナビ NEXT」編集長を歴任し、2007年より就職情報サイト「リクナビ」編集長。2013年3月に「就職みらい研究所」を設立し所長に就任。 「就職みらい研究所」ウェブサイト

森山:私は海外就職研究家として、海外の企業の現地採用で就職する20〜30代を中心に情報収集しています。「海外で就職する」という選択肢をまだ知らない人が多いので、就職の競争率が低いことが大きなメリットです。

しかし、別に海外で就職することだけが、世界を舞台に働くことではありません。私自身も、日本国内の日本企業に勤めていたとき、世界8カ国くらいの人たちとひとつのシステムを作り上げるプロジェクトに携わる中で、「ああ、世界で仕事をするのって面白いんだな」と感じました。それが海外就職に興味を持つきっかけでした。

私は9月からフィリピンに住んでいまして、最近、いちばん活気があるのはやっぱりアジアだという感覚を新たにしています。今の学生たちが「世界を舞台に働く」と聞いたときに、どんな国や都市を思い浮かべるのでしょうか?

日本からまずはアジアに目を向けるべき

岡崎:留学も含めて、森山さんがおっしゃるように、アジアに目が向いていると感じます。かつてバブルの頃、若者たちが海外就職するのは、どちらかと言えば“輸入”という意味合いだったと思うのです。日本よりも進んでいる欧米に行って、学問や知識、調理、工芸などの最先端の技術を日本に持ち帰るという傾向でした。

今はどちらかというと、日本から“輸出”するという観点で海外に出る人が多いように思います。たとえば、肌質や髪の色が近いアジアの人々に日本の化粧品を紹介したいとか、日本の文化を広めたいとか、日本よりも経済が活性化している国のど真ん中で、経済活動にダイレクトに携わりたいと考えるとき、自然にアジアが視野の中心に入ってくるのではないでしょうか。

森山:最近は日本の食品チェーン店なども、どんどん海外に進出していますよね。日本の牛丼などはそのまま同じ形態でジャカルタの店でも出される。まさに日本の産業や文化の“輸出”ですよね。現地向けにカスタマイズしながら、日本のアニメをマレーシアに売ったり、築地からマグロを仕入れてインドネシアで売ったりしている知人がいますが、そういう仕事はとても多くなっています。

今までは欧米という先進国の商品やサービスで幸せになれると思っていたのが、今度はエスタブリッシュされた自分たちが提供する番になった。そんな意識のチェンジが、ここ何年か日本で起こっている気がします。

岡崎:ただ、学生は新卒で就職する時点では、自ら輸出できるものはあまり持っていないので、まずは働きながら学び、将来にわたって通用する経験・スキルを身に付ける、つまり輸入するという感覚で「セカ就」する人もいます。でも、進んだ土地で知識を得るというよりは、これから発展する土地に飛び込んで、働きながら経験を獲得するというスタンスです。スキルや経験の現地調達、とも言えますね。最初から現地の経済活動に積極的にかかわることを見越した「セカ就」が、学生の特徴として多く見られるように思います。

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