「海外就活」が当たり前の時代がやってきた! 岡崎仁美「リクナビ」編集長×森山たつを対談(1)
仕事を“輸入”する時代から、“輸出”する時代へ
――まず、2012年にリクルートが発表した就職領域トレンドワードとして、「セカ就」という言葉を挙げられた理由、その背景にある社会状況などを教えていただけますか?
岡崎:「セカ就」という言葉は「世界就職」を短縮したものです。実は「海外」ではなくて、「世界」というところにこだわっています。今は「国の中か外か」ではなく「“ひとつの”世界の上で通用する人間になりたい」と学生の志向に変化が生じていると感じています。また、「いつか、海外で働きたいな」という人は昔からいましたが、今の学生はそれでは待てないと。「いきなり世界デビューできる仕事を探したい」という思いが強いと感じています。それで、「いつかは海外」ではなく「いきなり世界へ」と、「セカ就」にサブタイトルをつけたんです。
今の学生は「内向きだ」と言われることがあります。私は「リクナビ」などの就職情報メディアを通じて、約20年にわたり採用したい企業と就職したい学生とを結び付けるお手伝いをしてきましたが、実際の学生はさまざまで、ひとくくりで表現するのは難しい。確かに内向き傾向も認められる反面、現実的な就職先として世界を視野に入れている人も確実に存在しており、彼らに代わって主張したいという思いもありました。