「よそ者」「わか者」「ばか者」が町を再生する ”異分子”たちから始まる、すごい「チーム」

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多くの人に浜の未来予想図を見てもらい、彼はものすごい勢いでプロジェクトへの賛同、共感を得ていった。そして当初、何年もかかると言われていた復旧作業は急ピッチで進められていき、震災から2年、奥さんの命日でもある日に、彼は念願のカフェをオープンさせたのだ。

カフェに改造した趣深い古民家には、夫婦2人の趣味だったアンティーク家具が並んでいる。ボランティアの仲間が内装にもこだわり、きれいに仕上げたため、すごくすてきな空間に仕上がっていた。

先日、そのカフェで彼の同級生の結婚式が開かれた。友達の漁師の船に新郎新婦がドレスをきて入場するなど、ユニークで心温かい式となった。亀山さんの妹さんも、そのカフェで結婚パーティを行った。たまたまその日に通りかかったのでのぞいてみると、みんな本当に幸せそうに笑っていた。

「何もなくなった蛤浜を人が集まる場所にしたい。妻が天国から笑いながら『悔しいなあ、私も住みたいなあ』と言ってくれるような、楽しい浜にしたい」

写真中央が、「はまぐり堂」の亀山さん

これはまだカフェができる前、地元新聞の取材に対して亀山さんが言った言葉。始まったばかりだけど、すでに実現してるね、って僕はそのとき思った。

ほかにも、多彩なゲストを呼んで子供たちに自然を体験させる学校を開いたり、地元の海産物を紹介して食べてもらったりするなど、多くの人がにぎやかに集うスポットになっている。こうした事例は、どこかの広告代理店や行政主導では、なかなか作りえないものだと思う。

カフェの隣家の人も彼の思いに共感し、「ここも使っていいよ」と家を提供してくれることになったそうだ。

これはスゴイことだ。この辺りの人たちは、都会と違って用心深く(?)そもそも店舗や家を容易に貸してくれたりしない。よそものがわらわら集まって来ることにも警戒することが多い。

地元の人であり、仲間と協力し合って、努力してきた彼だからこそのことなのだ。現在、その隣家を改造して、ゲストハウスにする計画が進んでいる。小さな浜で、彼の夢はさらに進化を遂げていくだろう。

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