笑いのセンスは、江戸時代に学べ! たとえ捕えられても、笑わせたい人たち

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猫文字?

 お次の『猫の当字 ふぐ』は、何かを寄せて形を作る“寄せ絵”と呼ばれるもの。猫にいろいろな恰好をさせて「ふぐ」の文字を描き出している。

歌川国芳『猫の当字 ふぐ』
大判錦絵 天保13(1842)年ごろ 個人蔵 11月1日~11月13日に展示

「国芳は大好きな猫の絵をたくさん描いています。仕事場に何匹も飼っていたから、ポーズや生態を熟知しているんですね。袋をかぶった猫の絵などもあり、猫好きが見ても納得できると思います」

三毛猫のような色合いのふぐの表情が面白い。猫文字には、ほかに「かつを」や「うなぎ」もある。

ここ数年、国芳に注目した展覧会がいくつも開かれている。

「国芳は作風が明るく、感覚が現代に近いので、今の人が見ても楽しめるのです。暗い世の中で笑いが求められているのも、ひとつの理由だと思います。国芳が活躍した時代も、天保の改革で庶民が締め付けられたり、安政の大地震があったり、黒船が来たりと、世の中は混乱していました。その中で浮世絵はたくましく出版されていたのです」

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