日本とフランス、会議の目的は大違いだった

フランスの会議が「カオス状態」な深い理由

くみ:言われてみると、確かにそうね。日本では、発案者が資料を作成してプレゼンし、ほかの出席者たちが了承する、というパターンも多いのではないかしら。その場合、円滑に進めるには、ほかの出席者たちが特に意見を述べることがないまま承認されて議題が次に進む、というケースも多く見られるような。

エマニュエル:実は、フランスでは会議の2回に1回は、ハッキリとした結論が出ないんだよね。最後に、みんな「それではそういうことにしましょう」と言って終わるんだけど、結局誰もいったい何がどうなったのかいまいちはっきりしていないってことはよくあるよ。だからもう少しハッキリさせるために数日後にまた追加で会議を開く必要があったり、とあまり効率的ではないことが多いかな。

結局、人を魅了できれば中身は関係ない

エマニュエル:面白いことに、これは省庁での会議でも同じだったりするんだ。国の重要事項を決める会議では、公式的な結論というのは一応あるんだけれど、それでも報告書を読んでみたらやっぱり結論がいまいちハッキリしていないなぁってことよくあるよ。

どうしてフランスではこんなことがよく起こるかというと、フランスではプレゼン能力が非常に大事だからなんだ。つまり、優れたプレゼンをして多くの人を魅了することができたとすれば、たとえその中身が合理的でなかったり、間違いなんかがあったとしても職場での地位など関係なく、結論がその人の意見に流れることがあるということ。

そのせいで、会議中はその場の空気の盛り上がりで決まった結論が出たとしても、後々冷静になって考えるととやっぱりこの結論だめだよねってなることがあって、結局上の立場の人が別の結論に変えてしまうなんてことも。

くみ:日本では「飲み会」という習慣が根強いというのも関係しているんじゃないかしら? 日本で18時から部署が違う人たちが集まる会議があったとき、20時過ぎには出席者全員で「ではこの後ちょっと……」と、近くの居酒屋に流れていって飲み会になったわ。

同様に、同じような会議がフランスであったとき、17時半から始まる会議で、やはり終了はディナータイムにかかっていたのだけど、会議が終わった瞬間、「では、また!」と言って、驚くほどあっけなく、皆当然のようにさっさと帰っていったの。

日本では、この「飲み会」時に仕事上の人間関係を築くことが多いと思うけれど、フランスではこういう会食は日常的にないわよね。このことも、勤務時間中の会議に求められる役割が異なる理由の1つなのかも。

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