日本とフランス、会議の目的は大違いだった フランスの会議が「カオス状態」な深い理由

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エマニュエル:昔はほとんどなかったけど、最近は社員の在宅勤務の増加の影響で増えつつあるよ。スマートフォンが普及したことで仕事のメールがどこでも読めるんで、勤務中と勤務外の境界がどんどんあいまいになっていっているね。

くみ:そのあたりは、日本とあまり変わらないわね。でも最近も、日本に出張していた企業代表のフランス人が、「就業時間外に従業員に連絡すると、ハラスメントになるかも……」なんて気にしながらも、緊急の用事をフランス時間の週末の朝、部下にメールしていたわ。

就業時間外のメールについてはフランスでもニュースになったと思うけれど、確かにスマホのせいで仕事とプライベートの境目があいまいになっているから、きちんと線引きをしようという風潮は感じるわ。

家族とたくさんの時間を過ごせる

くみ:バカンスの長さも、そこと大きく関係していると思う。初めてフランスで正規雇用で働き出したとき、「有給休暇は42日で、翌年に繰り越せないので、使ったもの勝ちですからね!」とウィンクとともに説明されたときはさすがに驚いたわ。そもそも週休2日だから、8週間は休めるということ。日本の標準は、その半分以下で、しかも仕事や職場環境によっては取りにくいし……。

エマニュエル:僕が18歳までは、4月のイースター休暇の2週間、8月のバカンス1カ月、クリスマス休暇の1週間はずっと家族そろって旅行に行ったりして一緒に過ごしていたんだ。だから子ども時代は本当に家族とたくさんの時間を過ごすことができたし、このことはフランスのよいところだと思っているよ。

業種や企業にもよるとは思うけど、1936年以降、有給休暇の制度は法によって定められていて、ほぼすべての企業はこの規則を守っているといえる。もちろん政治家だってちゃんと有給休暇を取るからね!

佐々木 くみ 執筆家、イラストレーター

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ささき くみ / Kumi Sasaki

東京生まれの30代。フランス在住10年を超す。2017年10月に、エマニュエル・アルノーと共著で自らの体験をつづった『Tchikan(痴漢)』をフランスで出版。イラストも手掛けた。

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エマニュエル・アルノー 小説家

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Emmanuel Arnaud

1979年生まれ、パリ出身。2006年より児童文学、小説、エッセーをフランスにて出版。2017年にThierry Marchaisseより佐々木くみとの共著『Tchikan』を出版。2000年代に数年にわたり日本での滞在、および勤務経験を持つ。個人のサイトはこちら

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