シンガポールで「財布持たない族」急増のワケ

ブタ財布を持ち歩くのは日本人や中国人だけ

シンガポールにいると、私も本当にお財布を忘れて出かけてしまいます。例えばスマホのタクシーアプリにクレジットカードを登録しているので、タクシーに乗るときもお財布が必要ないからです。普段はスマホケースに交通系電子マネーを忍ばせ、キーケースにキャッシュカードと10ドル札くらいはいつも入れているので、お財布を忘れても困ることはほとんどありません。

実際、シンガポールにいる欧米人などと一緒に過ごすと、村上春樹の小説に出てくる世界と同じで、一緒にいる彼らの財布を見たことがほとんどないのです。決済だけとれば日常生活はリゾートホテルでの会計のように、必要なときだけカードで支払うといったイメージでしょうか。彼らはキーケースやバッグの中にカードだけを入れたり、マネークリップと呼ばれる、超薄型のカード入れを使っていたりすることが多いのです。

日本の現金流通量はスウェーデンの11倍! !

実は以前、テレビの収録で銀座で1日中、通行人のお財布の取材をしたことがありました。欧米人の男性にお財布を見せてもらったところ、やはり、マネークリップにカードを3枚だけ入れていました。

会計のときに、豚のようにパンパンに膨らんだ財布を頻繁に出し入れするのは、日本人や中華系の人、インド人といった印象があります。彼らのお財布には100ドル札がぎっしりと入っていて、なかには「現金でしか買い物をしない」という人もいます。

国によっては決済インフラが未整備での「現金しか信用できない」のはわかります。しかし、日本は決済インフラがしっかりしていて、カード所有枚数も多いにもかかわらず、「現金を好む」傾向にあるのが統計データを見てもわかります。

「現金の流通量とカード決済の国際比較2015」によると、現金の流通量対GDPは日本19.4%に対してインド12.3%、シンガポール9.6%、英国3.7%、スウェーデン1.7%と、国際決済銀行(BIS)傘下の決済・市場インフラ委員会(CPMI)のメンバー国の中で、日本の現金比率は突出して高いことがわかります。キャッシュレス化が急速に進行しているスウェーデンのなんと11倍にも達するのです。

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