凶悪事件を起こす「少年少女A」たちの共通点 新潟少女殺害事件はなぜ防げなかったのか
4、刺激的な映像などに影響を受けている点
小林容疑者の友人によると、彼はかわいい女の子キャラクターが好きで、それ以外にもゲームやアニメの話をよくしていたというが、そのアニメも有名な作品ではなく、かなりマニアックなものだったという。実在している女性ではなく、萌えキャラだったので、友人たちの間では、小林容疑者はロリコンだと思われていた。彼が関心を示したのは「2次元の女子」で、リアルな女子に関心は示さなかったため、学校では同級生の女子生徒が小林容疑者を相手にすることもなかったという。
過去の少年事件でも、ゲームやテレビ、アニメ、インターネットなどで目にした「刺激的画像」に誘導された行為が出現することがあり、犯罪の手口などはそういったものからの模倣が多いのだ。
5、事件に対して反省の態度が見えない点
少年事件の場合、逮捕映像はテレビ報道などで流れることはないが、成人の加害者の逮捕映像を見ていると、顔を隠す例もあるが表情を変えずに淡々としており、それどころか薄ら笑いを浮かべているといった映像を目にする。
今回の小林容疑者も逮捕時の映像は悪びれた様子もなく、薄ら笑いを浮かべ、その後もまったく表情を変えていなかったことに怒りとともに戦慄を覚えた人も多かっただろう。取り調べの際も「なぜそうしたかわからない」「そうするほかなかった」「自分は悪くない」などと主張し、重大事件を起こしたことへの反省の気持ちが一向に見えないケースがほとんどなのである。小林容疑者も取り調べに淡々と応じているが、いまのところ反省の言葉はないという。
被害者感情を逆なでする手記を発表した少年Aや、2014年に名古屋大学に通う女子大生(当時19)が、宗教の勧誘で知り合った老女を殺害して自宅アパートに遺体を1カ月以上放置していた事件も同様だ。彼女は裁判において、今でも人を殺したくなる衝動が消えないと証言していた。
第三者からは理解しにくい、事件後の短絡的な行動
6、 事件後の行動が「頭隠して尻隠さず」であった点
青少年の起こした殺人事件では、第三者からみたら首を傾げるような特異なことでも、本人は一貫したロジックを持っているケースが多い。今回の事件では、犯罪発覚を恐れていながらも、犯罪が発覚しやすい痕跡を残していた。殺害した後の遺体を自宅から近い場所、しかも線路内に置くという特異で短絡的な行動を取っている。イギリス人英語講師のリンゼイさん殺害事件の市橋達也受刑者のように、追い詰められて日本国内を逃げ回っていたケースもあるが、小林容疑者は事件後も逃走することなく、逮捕までの1週間は、必ず自宅に戻っていたことがわかっている。
ここまで、本人に関する特徴を述べた。次に、事件に関する共通点だ。
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