凶悪事件を起こす「少年少女A」たちの共通点

新潟少女殺害事件はなぜ防げなかったのか

2、 対人コミュニケーションが困難であった点

「あまり社交的なタイプではなかった」と中学時代の同級生の女性。女性とはあまりうまくコミュニケーションを取れずにいた小林容疑者。また、中学に入って友だちとの交流が少なくなり、陰では、「キモい」と言われていたという。

報道によると中学入学後、同級生とはまったく遊ばなくなり、代わりに近所の年下の子どもたちと遊ぶことが多くなったという。同級生の話では、外見は普通に見えるが、社会性がなく、コミュニケーションが取れなかったとのことだ。事件の1カ月前に女子中学生をターゲットにしたわいせつ行為で失敗したため、さらに弱者である小学生を狙ったとみられている。

会社では普通にコミュニケーションを取れていたという話だが、決まったルールのある集団や組織の中では対応できたかもしれないが、臨機応変な対応を求められるプライベートな生活では異性や仲間とのコミュニケーションが難しいというのも、これまでの少年事件の加害者と類似している。

多くの凶悪少年事件では、思春期以降に仲間集団や異性への関心が高まったものの、対人コミュニケーションが難しく、相手の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えたりすることがうまくいかずに接近方法を誤って不適応を起こしてしまうケースがほとんどだった。

2005年に宇治市の学習塾で小6女児を殺害した塾講師(当時23)、1997年の少年Aの酒鬼薔薇聖斗(当時14)などの例がある。

自分より確実に弱い、抵抗できない相手を選ぶ

3、身近な社会的弱者をターゲットにする点

これまでの未成年が犠牲となった青少年による重大事件では、家の近くに住む人物をターゲットにするケースがほとんどだ。殺害にあたっては、相手に対して憎しみなどの感情があるわけではなく、「対人関係上の不適応」や、「対人不適応に基づく被害者感」が根底にあるケースが多い。

他者に対する共感性がなく、人と接するのが苦手だった場合、コミュニケーションを取ろうとする相手はすべて自分より弱いものになっていく。小学校低学年の女児などは力も弱く、抵抗できないために犠牲になってしまうのだ。

また加害者が少年の場合では、力になろうとして身近に近寄ってきてくれた大人や、心配してくれている親友に対して犯罪を実行するケースも多い。これまでの凶悪な少年事件の被害者をみてみると、自分より年齢が低い児童、宗教の勧誘で知り合った老女、仲がよかったクラスメート、親などである。

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