働く女性を覆う「あみだくじ」キャリアの不安 「キャリジョ」たちは仕事をどう考えているか
「カジテツ」の消滅
雑誌でよく見掛ける「読者モデル」。彼女たちのプロフィールを注意してご覧になったことはありますか? プロフィールには、しばしば年齢とともに職業が記載されています。今では、職業ではなく居住地域など、その人自身を表す「名札」のバリエーションも増えているようですが、いつの間にか「家事手伝い(通称:カジテツ)」を見なくなったね、というのがキャリジョ研内で話題になりました。
「カジテツ」には「花嫁修業中」という意味合いと、仕事をしていない=「余裕のあるお嬢様」という印象があり、かつては、若い女性に使いやすい職業ラベルだったのでしょうが、現在では「社会に出たことがない」というのは、「世間知らず」というレッテルを貼られてしまうこともあり、マイナスに働くことさえあります。
世に出て働くということは、おカネを稼ぐ以外にも、人への応対やマナーなど、社会人としての振る舞いを学ぶ機会ともなります。学校教育以外での学びも注目を浴びる現代において、そうした社会性を身に付けることは、ますます重要性を増しているのではないでしょうか。
また、バブル崩壊後、男性の失業者も増加。男性の平均年収も、ここ数年回復傾向にあるとはいえ、ピークの1997年から見ると下がっています。こうした状況を踏まえて、男性ばかりに頼ってはいられない!と女性が思うのは当然。女性の高学歴化も進み、学校卒業後、「家庭に入る」のではなく、就職を選ぶ女性は増えています。
加えて、いつまでも男性に頼れないと現実的になっている女性たちにとっては、専業主婦はリスクが高い生き方でもあります。ある一定の年齢になると、飲み会をすれば数人はバツイチがいるくらい、離婚も珍しくはないこのご時世。