働く女性を覆う「あみだくじ」キャリアの不安 「キャリジョ」たちは仕事をどう考えているか
専業主婦になるのが一般的だった世代の母親からは、自分の果たせなかった夢を託すがごとく「いつ離婚してもいいように仕事はちゃんと持っておきなさい」という想い(重い?)のこもったご託宣をいただき、自分で好きにおカネを使えないことへの不安も出てきます。さらにもし夫が倒れて働けなくなったときに、自分に仕事がなかったら?などいろいろ考えをめぐらせていくと、一人が家計を支えるのはリスキーです。
そんな時勢の変化を受けて近頃は、白馬の王子さまを待つのではなく、ヒロインが愛と勇気と知恵で敵と戦い、困難を乗り越えるドラマや映画も増え、多くの共感を呼んでいます。こうした「脱・王子さま」の風潮も女性の「仕事を持とう」という意欲の後押しになっているでしょう。
実際、キャリジョ研の調査では「結婚した後、どのように働いていたいか」という質問に対して、「仕事は辞めて専業主婦になりたい」はなんと全体で6.4%。年代や地域を問わず、全体の1割に満たないのです。「寿退社」という言葉も、今では死語になりつつあるようです。背景には、一度辞めると再就職が難しいという事情もありますが、先の年収問題に関連して、専業主婦を養える男性が減っているのも大きいでしょう。
女性の専業主婦願望については、この後の恋愛・結婚編で詳しく見ていきますが、なりたい気持ちはあっても、現実的には難しい、大げさに言うと「宝くじ当たらないかな~(当たるといいけど、まぁ当たらないよねぇ)」くらい、なりたくてもなれるとは限らない期待薄な存在になっているのです。
時代の流れとともに、自立的に働くことが当たり前になってきたキャリジョたち。ここからは、キャリジョの多様性の話に入る前に、まずはキャリジョの基本の「キ」として、キャリジョ全体としての仕事意識・仕事観について見ていきます。
ケーキカット型とチャーム型のワークライフバランス
仕事関連の意識で最も高かったのは「仕事をがんばるためにはプライベートが大事だと思う」の83.5%(全体)。これは都市部でも地方でも8割を超え、堂々多数派の結果となりました。ワークライフバランスという言葉が出てきて久しいですが、当然のことながら仕事一辺倒の生活はイヤなのです。また、「仕事よりもプライベートを優先したい」かどうかを聞いている質問への回答も全体の65.8%がYES!と半数を超えています。
ちなみに、後にも出てきますが、仕事、恋愛・結婚(結婚生活)、趣味、人づきあいの4領域について「今後どの程度力を入れたいと思うか」を聞いている貪欲度についての質問では仕事が54.1%、恋愛・結婚生活が71.8%、趣味が72.8%、人づきあいが57.9%。キャリジョたちは仕事以上に恋愛や結婚、趣味に力を入れていきたいと思っていることがわかります。