男たちを弄んだ「かぐや姫」が犯した本当の罪 謎だらけの竹取物語の根底には何があるのか

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女官が竹取の爺さんの家に着き、早速かぐや姫との面談を申し込む。爺さんは通そうとするが、相手はたとえ誰であろうと色事に興味のないかぐや姫は案の定全否定。

かぐや姫に、「はや、かの御使ひに対面し給へ」と言へば、かぐや姫、「よきかたちにもあらず、いかでか見ゆべき」と言へば、「うたてものたまふかな。帝の御使ひをばいかでかおろかにせむ」と言へば、かぐや姫答ふるやう、「帝の召してのたまはむこと、かしこしとも思はず」と言ひて、更に見ゆべくもあらず。
【イザ流圧倒的意訳】
「帝の使者に会わなくちゃ、早く準備しなさい」とかぐや姫に言ったら、彼女は「私は別にそこまで美人でもないし、なんでその人に顔を見せなきゃいけないわけ?」とそっけない返事をする。ばあさんは「困ったことをいうね……さすがに帝の使者に対してそんなことを言えないわよ」と言うと、今度は「帝にナンパされたって別に大したことだと全然思わないし」とさらに強気に出て、使者に会おうとしない。

「じゃあ殺せば?」と言い放つ肝っ玉姫

ただただスゴイ! 帝が相手だったら断れないという予測に反して、かぐや姫は自分の信念を貫き、一向に興味を示さない。やや鼻もちならない高級女官が、一般人に断わる権利がないとまで言い出すので、「はや殺し給ひてよかし(じゃあ殺せば?)」と逆に居直る芯の強さ。その凛とした姿が目に浮かぶ。

しかし、帝はもちろん引き下がらない。竹取の爺さんを呼び出して、娘を差し出したら五位の位をあげると約束する。昔は女性の意志はそれほど重視されていなかったにせよ、まるで人身売買だ。爺さんはその権力を手に入れるチャンスに目が眩み、早速説得に取り掛かるが、娘は聞く耳を持たず、宮仕えさせられたら自殺すると脅す。ということで作戦その2も大失敗に終わる。

もう我慢しきれず、帝は自らかぐや姫を襲うという計画を思いつく。国のトップが朝晩どうやって女性を落とすということしか念頭にないとは、よほど平和な時代だったのだろう。

さて帝は、爺さんの協力を得て、狩りに出掛ける振りをして、かぐや姫の部屋に上がり込むという大胆で強引な計画を実行する。部屋に入った瞬間、かぐや姫は顔を隠そうとするが、帝はすでにその輝かしい美しさを見てしまい、虜になった。宮廷に連行するつもりだが、まさかのハプニング。

次ページ姫にいったい何が起こったのか…!
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