「鎌倉新書」の葬儀サービスはなぜ伸びるのか 楽天から転じた相木孝仁社長に聞く

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(鎌倉新書 平成30年1月期 決算説明資料より)

村上:地方はともかく、都市部では檀家制度も薄れつつありますし、代々にわたって特定の事業者と付き合ってきたという人も少ないでしょうね。

相木:その一方で、ご利用者様のほとんどは葬儀やお墓が初めての経験となりますし、親族の死という心が穏やかではない場面で意思決定を行わなければなりません。そこで、我々はご利用者様に客観的な情報をわかりやすく提供し、優良な事業者を紹介し、事業者からは成約に至った場合のみ手数料を頂戴するという事業を構築したわけです。

お墓の事業規模が最も大きい理由

村上:お墓の事業規模が最も大きいことについては、何らかの戦略があったのでしょうか?

相木:そうですね。かつては意図的に、お墓事業へとリソースを集約させてきました。なぜなら、通夜・葬儀の意思決定が短時間でなされるのに対し、お墓は場所探しから納骨に至るまでの時間が長く、我々がさまざまな方面からお手伝いできる可能性を秘めていたからです。

村上:なるほど。まずはお墓のマッチングにおいて、確固たる基盤を確立することに注力されたわけですね。

相木:葬儀のマッチングを本格的に強化したのは、私が入社してからのことです。マーケット規模はこちらのほうが大きく、お墓事業の道筋が見えてきたのを踏まえて、徹底的に葬祭事業を強化することにしました。さらに直近ではその成果や手法を仏壇事業にも展開し、2018年1月期におきましては、お墓が前年比35%増、葬祭が同32%増、仏壇が同20%増と、成長率がさらなる上昇を示しています。

(鎌倉新書 平成30年1月期 決算説明資料より)
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