閑古鳥の住宅展示場、それでも変わらぬ体質 活性化狙う策も抜本的な解決にはならない
1つ目は大手ハウスメーカー以外の出展誘致だ。冒頭のように元々、住宅展示場は大手のプレハブ系ハウスメーカーの営業拠点として始まったものだが、そこに大手の木造系ハウスメーカー、そして10年ほど前からは地域ビルダーの出展を促してきた。
実は、大手メーカーとしてはライバルとなるこれらの企業の出展はあまり歓迎すべきことではないのだが、運営会社にとっては背に腹を替えられない状況なのだ。
住宅展示場への出展に前向きな地域ビルダーは多い。昨年4月には埼玉県川越市に「川越ホームスミスショウ」という、埼玉県内の地域ビルダーのモデルハウスばかりを集めた住宅展示場もオープンしている。
ちなみに、この住宅展示場は全国で初めて同一敷地内にマクドナルドを誘致し、コラボ企画も展開するというユニークな取り組みを行っているのも特徴だ。ほかにも、同じ埼玉県の蓮田市にも今年2月にオープンした「彩の国いえ博」という、これも地域ビルダーのみの住宅展示場もある。
地域ビルダーは基本的にモデルハウスを持たないケースが多いが、複数棟のモデルハウスが集まる住宅展示場は自社の特徴をアピールしやすいため、そこへの出展は魅力を感じている。
こうした動きは、大手ハウスメーカーの影響力が比較的弱い地方エリアでよく見られる。
このほか、中堅ハウスメーカーや地域ビルダーの中には、住宅展示場の周辺エリアにモデルハウスを設けるケースもある。いわばコバンザメのような出展スタイルであるが、住宅展示場が依然として有する一定の集客力がこのようなかたちを成り立たせている。
リフォーム関連のショールームや営業拠点を設ける
運営会社が仕掛ける活性化策の2つ目は、リフォーム需要が高まっていることを背景に、住宅展示場の中にリフォーム関連のショールームや営業拠点を設ける動きだ。
ハウスメーカーも近年はこの分野の強化を本格化しており、その動きを反映したものでもある。
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