ミスを隠すことは、信頼を失うことにもつながる。それで痛い目にあったのが、OA機器販売会社で課長をしているAさんの部下だ。
「お客様がコピー機の契約を解約したいと言っているのに、解約するのを忘れていて、月額料金が発生。お客様は料金を払うはずがないので、こっそり自腹で負担していたらしいのです。しかし、うっかりしていたのか、翌月も同じことを繰り返したことで、隠していたことが判明。減給に加え、営業職を外されることになった」(Aさん)
ミスを報告すれば、ミスを犯した時の対処法や再発を防ぐ手立てなどを教えてもらえる良い機会にもなる。自分を成長させるためにも、早めの報告を心がけよう。
上司にしても、お客にしても、一度のミスは大目に見てくれるが、二度同じミスを繰り返したらそうはいかない。
「お客様から『何度言っても、発注したモノが届かない。おたくはどういう教育をしているんだ』とお叱りの電話を受けた。担当営業マンに聞くと、繰り返し、発注忘れをしていたらしい」(サービス・44歳)というようなことがあると、お客からの信頼はガタ落ちするし、上司からも「大事な仕事を任せられない」というレッテルを貼られてしまう。
起こしたミスの原因を突き止め再発防止に努める
そうならないためにも、同じミスは絶対に繰り返さないようにしたい。ミスを繰り返さないためには、ミスをしてしまった状況を振り返り、「なぜ起きてしまったのか」、原因をしっかり突き止め、どうすればミスを防げるかを考えることが大切だ。気が乗らない作業かもしれないが、それをするとしないとでは、成長のスピードはまったく違ってくる。
上司にミスの報告をするときは、ミスが起きた状況や背景を、正確に、客観的に述べることが必要だ。そうでないと、上司も正しい判断を下すことができない。
ところが、現実には、「人のせい」にして、自分に不都合な真実を隠す人が少なくない。たとえば以下のような事例だ。
・「お客さんがムリなことを言ってくる」とお客様のせいにする
・「前にこういうふうに言われたので、こうしました」、「そんなこと、言われていませんでした」と、上司や先輩のせいにする
あの手この手で自分の非を隠そうとするわけだ。
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