埼玉県が進める「新学力調査」は何が凄いのか

ビッグデータでわかる良い教師の条件とは?

子どもの学力を上げようとすると、目前の試験で点数を取れるように勉強させる方法が考えられがちかもしれない。しかしながら、勉強そのものを目的化したところで、必ずしも試験で点を取れるようになるわけではない。

子どもが自分をコントロールしてこつこつとまじめに取り組み、苦手な教科でも気持ちを整理して課題に向かう態度をどれだけ養えるか。埼玉県学調のデータ分析結果は、試験で点を取れるようになるためにはこうした視点を持った教育が必要ではないかと示唆している。

埼玉県学調では同じ子どもの学力を追い続けられる(著者作成)

そして、このような子どもの姿勢や態度は、一方的に教え込まれたりするよりも、アクティブ・ラーニングによる教師の引き出し方や、子どもたちの教師への信頼性で決まってくる可能性があることがわかってきた。

こうした「良い教師」の条件を見極められるのが、埼玉県学調の強みである。

保護者の方々においては、自分の子供が通う学校の教師を見るとき、近視眼的に成績を上げているかどうかよりも、教師が子供同士の人間関係を上手く構築しながら、主体的で対話的な深い学びを行っているかどうかを確かめてほしい。親として子供と向き合う際も、親と子の人間関係とアクティブ・ラーニングを勉強のポイントとして意識するといいだろう。

埼玉県の取り組みが全国へと波及

まじめに取り組む態度といった「非認知能力」は、日本の学校教育が元来大事にし、多くの教育活動を通じて伸ばそうとしてきたものである。

埼玉県学調でそれが客観的に把握できることが知られると、全国の自治体から注目されるようになった。学力と非認知能力を伸ばすと同時に、子どもの「伸び率」を見られることが教育の本質につながっていると評価されているのだ。

2018年度からは、福島県の郡山市や西会津町に加え、広島県福山市が、埼玉県と共同で調査を実施することが決まっている。2019年度には福島県全域で実施される予定だ。

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