地上波バラエティ、実は今が「第2の創生期」だ

「てれびのスキマ」的バラエティ論

「テレビは第2の創生期を迎えている」と説く戸部田誠氏(写真:cakes)
「みなさんのおかげでした」「めちゃイケ」の終焉は、テレビバラエティの大きな転換点を示している──。“テレビっ子”の視点からテレビをウォッチし続ける気鋭の論客による、テレビバラエティの「これまで」と「これから」。

フジテレビ的タレントバラエティの終焉

2018年3月、「とんねるずのみなさんのおかげでした」と「めちゃ×2イケてるッ!」(ともにフジテレビ)という20年以上の歴史を刻んだ長寿バラエティ番組が終焉を迎えた。前者の最終回は1時間の通常放送、後者は5時間を超える特番と対象的な終わり方だった。

当記事は『GALAC』6月号(5月7日発売)からの転載です(上の雑誌表紙画像をクリックするとブックウォーカーのページにジャンプします)

番組から生まれた人気ユニット「野猿」と初回ゲストの松田聖子を迎えて、これまでのPVパロディや音楽系コントの総集編を放送し、最後はとんねるず自身のヒット曲『情けねえ』を歌い、最後の歌詞を「バラエティを滅ぼすなよ」「フジテレビをおちょくるなよ」に変え、メッセージを送った「みなさんのおかげでした」。この世のすべてをパロディにしてきたとんねるず。抜群の身体能力と表現でホンモノを凌駕するパロディコントこそ、彼らの真骨頂であり、バラエティとは生来切っても切り離せない関係である音楽ネタで締めるというのはいかにもこの番組らしかった。

一方、「めちゃイケ」はほぼ全編新撮にこだわり、最後はレギュラーメンバーの人生にとって「めちゃイケ」とは何だったのかを問い直し、終了後に続く人生にも焦点を当てた。それは、メンバーの人生そのものを大河ドキュメントコント化してきた「めちゃイケ」の最後に相応しいものだった。このように方向性こそ違うが、この2つの番組は、1980年代以降続いた「楽しくなければテレビじゃない」というフジテレビの哲学を体現したバラエティだった。

これを「めちゃイケ」の総監督・片岡飛鳥は「タレントバラエティ」と呼んだ。

この「タレントバラエティ」とは、いみじくも「めちゃイケ」最終回でナインティナインの岡村隆史が「岡村隆史という神輿をみんなで担いでいただいて、ホントにありがとうございました」と語ったように、看板となるタレントが主役となりさまざまな企画を行っていく番組を指すのだろう。

企画ありきではなく、タレントがまずありきの番組だ。こうしたフジテレビが得意としていたタレントバラエティは、少なくともゴールデン、プライムタイムではほぼ姿を消すこととなった。

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