検証!「普段運動する人」は老化しにくいのか

老化の進行はコントロールできる?

サイクリング愛好家たちの筋肉量や筋線維組成といった筋肉の健康度を示す指標は、年齢が上がってもあまり変わらなかった。また、1カ月当たりの走行距離が最も長い人々は、年代を問わず最も健康な筋肉の持ち主だった。

免疫系への影響も目を見張るものがあった。運動習慣のない高齢者では、胸腺からの新たなT細胞の活性化は少なかった。またこうした高齢者の胸腺は、若い世代と比べて縮んでいた。

若い世代と変わらないレベルのT細胞が

ところがサイクリングをする高齢者の血液中の新しいT細胞の数は、若い世代と変わらないレベルだった。また、自己免疫反応を防止する効果のある他の免疫細胞や、胸腺を萎縮から守るホルモンのレベルも高かった。

研究者たちはこの2つの結果の間には相関性があるとみている。筋肉は胸腺を保護するホルモンが作られる場所でもある。「つまり筋肉量が多いということはそのホルモンが多いということだ」と、両方の論文の共著者でバーミンガム大学炎症・老化研究所のジャネット・ロード所長は言う。

当然ながらサイクリング愛好家の高齢者だって年は取る。T細胞の多くには老化のサインが見られ、感染とうまく戦えないほど弱っている可能性がうかがえた。

また、今回の研究はあくまでもイギリスのサイクリング愛好家に限った話で、ほかの運動で同じだけの効果を得たいと思った場合、どんな種類の運動がどれほど必要となるのかはわからない。また、60歳になってから運動を始めた場合でも、ずっと運動してきた人と同じだけの健康効果を期待できるのかもわからない。

それでも、とロードは言う。「研究から言えること、それはこれまで加齢にはつきものだと思っていたさまざまなことが、実は予防可能だということだ」。

(執筆:Gretchen Reynolds記者、翻訳:村井裕美)
©2018 New York Times News Service

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