メジャーの大舞台で「ゴミ」を拾った大谷翔平

今の活躍を支えるのは「メンタル」の強さ

「ゴミを拾う」行為は、NPBではしばしばみられる。名遊撃手として知られた宮本慎也(現東京ヤクルトスワローズ、ヘッドコーチ)は、併殺のチャンスになると目の前の土を手でならし、小石やゴミを拾った。これは併殺プレーの準備であるとともに、打者に対して「こっちに打ってこい」というアピールだったという。

実は、大谷翔平は意識してグラウンドのゴミを拾っている。2015年、チームの大先輩、稲葉篤紀(現侍ジャパン監督)が、ベンチ前のゴミを拾ったのを見て感動して、それを真似るようになったのだ。彼自身はそれを「人が捨てた”運”を拾っている」と表現した。

「ゴミを拾う」のは小さな行為だが、大谷には自身の平常心を保ち、冷静にプレーするためのキーアクションになっているのだ。

4月12日(現地時間)ロイヤルズ戦で走者一掃の3点タイムリー三塁打を放った大谷翔平(写真:AP/アフロ)

よく知られているように、大谷翔平は花巻東高校時代から、「マンダラチャート」などで自分の将来像をはっきり描いていた。そしてそれに向かって自分で努力する習慣が身についていた。

大谷の躍進を支える「強いマインド」

プロ入りの際には、MLBを志望し、大谷翔平はプロ野球のドラフト指名を拒んだ。それでも強行1位指名した日本ハムは「高校から直接MLBに行くメリットと、NPBを経由していくメリット」を詳細に説明した企画書を用意し、大谷にマンツーマンでプレゼンテーションした。大谷はその説明に納得し、日本ハムに入団した。

そして日本ハムでは、吉井理人投手コーチなどから専門的な指導を受けるとともに、メンタル面、生活面でも適切なコーチングを受けて順調に成長した。2016年にはパ・リーグMVPを受賞するとともに、投手、指名打者の両方でベストナインに選出されるという前代未聞の結果を残した。

その後、ケガに泣かされて昨年は十分な活躍ができなかったが、彼の心身はNPBでの5シーズンで大きく成長したのだ。しかも「自分で考える強いマインド」をもって。

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