グローバル化が進む中、親たちは、子供を世界で通用するエリートに育てるため、日々、努力を重ねている。しかし、若手マザーの中には、子育ての仕方がわか らず、周りの助言にも恵まれないケースも多い。そこで、一般的な家庭ながら、子供を国際弁護士、国際金融マン、海外著名大学教員、公認会計士に育て上げた 著者が、読者の皆様からの子育て相談に回答する。
今日は幼児期より、母親が子供に対して、父親には尊敬心を持って接するようしつけられたことに感謝されている学生さんのケースに、学びたいと思います。
【早稲田大学大学院 Eさんの寄稿文】
父への尊敬心は、母から学んだ
私の家族の特徴は、「両親の役割分担、位置関係が明確であったこと」です。すなわち、父親は「最終決定を下す厳格さをもつ大黒柱」として、母親は「素直にぶつかり合える存在」として、役割分担が明確でした。父親を最上位とする家族関係が成り立っていたのです。
私自身、父親との1対1の話があるときは、母親に「お父さんの前では正座をしなさい」と教えられ、正座して話を聞くことが常でした。そのため物心ついた頃から、「父親は厳格で逆らってはいけない存在」と、自然に受け止めていました。
一方、母親にはマナーや勉強など、生活全般に関する事柄で厳しく言われました。父親と比べ会話する時間が長いためか、何でも相談でき、また反発もできる間柄でした。
母親に比べ、父親にしかられることは少なかったのですが、いざ父親を目の前にして反発しなかったのは、「父親の言うことは素直に聞かねばならない」という母親の教育が幼い頃からあったためだと思います。
このような家族関係を形成するうえで、キーパーソンになるのが母親です。常日頃から母親が父親を低く見るような発言を子供に対してしていると、いざ反抗期を迎えたときに、子供が父親に従わないのは目に見えています。母親と父親がフラットな関係になっているためです。
わが家のように母親が父親の威厳を示すような発言をしていると、子供の中に自然と父親は逆らってはいけない存在だと考えるようになるので、父親の言うことを素直に聞けるようになります。母の振る舞いが大きかったのではないかと思います。子供は親の言動をよく見ているといいます。母親が父親を立て家族内の上下関係を明確にすることが、家族関係を円滑に保ち、ひいてはよりよい教育ができる秘訣につながると思います。
<グローバルエリートからのコメント>
上下関係は、“まっとうな父親”でないと大変なことに
これも子供や親の性格やタイプにもよると思うが、基本的に人間というか動物には群れの中で序列があり、必ずボスがいる。これはそうでないと集団生活の統率がとれず不便なことが多いからだが、私の好きな熱帯魚でも、また動物のサルでもオオカミでもライオンでも象でも、同じことが言える。
よって人間の家庭内にボスがいるのは当然だが、難しいのはその“ボス”が道徳的に優れた、従うに足るボスだとは必ずしもいえないことである。ご存じのとおり、両親が子供を虐待するといった嘆かわしいニュースは後を絶たず、家庭内秩序の問題とそのボスの正当性の問題は時に矛盾する。ただ父親が、まっとうな父親だという前提に立てば、母が父をけなすようでは、その家庭が立ち行かないのは明らかだ。
パンプキンの豊富な家庭相談の経験(結構、友人や親戚中の人が、家庭問題の相談をパンプキンに持ち込む)から、その所感をつづっていただこう。
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