賢い人は、人前で連れ合いをけなさない
逆に、尊敬しあっていて魂で結ばれている夫婦関係の場合は言わずもがなですが、どう見てもはた目には一方が情けない関係。それでいて私が多くを学んだケースについて、触れてみたいと思います。
「情けない」とはこの場合、夫が仕事をしないとかギャンブルにのめり込む、女性問題で家庭を顧みない、アル中、おカネは稼ぐが家庭内暴君など、外見上の極端な例を指します。女性なら家計を計算に入れないミエを張った浪費や、家事・育児放棄などです。
私はいずれのケースも知っていますが、感心なのは、賢い人は「情けない相手」を人前では決してけなさないことです。人前でバカにすると、他人もバカにみる。それは耐えられない。しかも自分もバカだと言っているに等しい。子供の前でバカにすると、子供まで親をバカにするようになる。それは子供にとって明らかに不幸です。
未熟な私は、「情けない連れ合い」を人前で立てる人を、理解できない時期がありました。そんな私がその人たちから学んだことですが、人前で相手を見下げない彼らの振る舞いは、他人がいない日常でも同じなのです。
非は憎んでも人を憎まず、ということでしょうか。傍らでみていて、きっとこの「情けない人」にも、相手から立てられるに足る長所がいっぱいあるに違いないというメッセージになり、反対の場合の人たちと比べて、人格がぐんと上にみえます。
夫婦間のことを他人があれこれ想像できることは限られていますが、このような人たちのトラブルは、結局、いろいろな意味でよい解決をみたり、よい方向に向かっている場合が多いのです。
たとえばサッチーの学歴詐称問題はじめ、すさまじい魔女狩りのようなサッチーたたきの渦中にあって、ノムさんは人前ではいっさいノーコメント。よそで、サッチーとの相性のよさや彼女の長所についてのろけておられたことに、私は好感を持ちました。周囲の雑音で壊れる夫婦関係も多い中、今も押しも押されもしないすばらしいおしどり夫婦と聞きました。
「怖い存在」がいてこそ、子供はしつけられる
今回の学生さんのように、反抗期でも父親には反発せず、つねに尊敬心を抱けたのは母親のしつけのおかげ、という言葉には、常識のようですが、とても大切な教訓が含まれています。
必ずしも夫婦に上下関係が必要とは私は思いません。互いに尊敬し合っている夫婦なら、子供の教育も真の愛情をもって行われ、子供にとって父親であれ母親であれ、「間違ったことをすれば怖い」存在になると思います。
親を見下げたり、親よりエライと勘違いしている子に、ふとどき者が多いのには理由があり、たまたま相手が「情けない」時期にあっても、子供や人前で見下げたりけなさないよう心掛けることは重要です。
子供は大人をよく観察しています。“夫婦でお互いに尊敬の気持ちを示す”という一点においてでも、子供から尊敬を受ける対象になるはずです。
※ ミセス・パンプキンさんへの相談はこちら
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